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「もう出るのか」
「あ、豊前」
出陣ゲートの前で待っていてくれたらしい豊前に気が付き、蘇芳はそちらへパタパタと駆けて行った。
「……。本当に一人で行くのか?」
「それが主様からの指示だもの」
「今からでも主に言って……」
「駄目だよ。今から私は怪我をしに行くんだから。一緒に来たら豊前まで怪我しちゃう」
豊前は蘇芳の言葉にキュっと顔を顰めた。何かを言いたげに蘇芳を見下ろし、大きくため息を吐く。
「気ぃつけろよ」
「うん。江の名を汚さない働きをしてくるよ」
「まあ、今はそれでいいよ」
豊前は仕方ないといったふうに笑った。
「出陣先は? ゲートのやり方教えちゃるよ」
「ありがとう。出陣先は幕末の京都。鳥羽伏見の戦いの末期だって」
豊前はその通りにゲートへ入力していく。
「大砲とか鉄砲とかもあっから本当に気ぃ付けろよ」
「危ないときは主様が強制帰還させてくれるみたい。そのためにも単騎なんだって」
「そうならずに戻ってきてくれるのが一番いいんだがな」
ゲートが起動し、時代がつながったようだ。機械音が止まり、ゆっくりとゲートが開かれていく。ぽかりと空間が広がり、ここを潜ればそこは間違いなく戦場なのだ。
蘇芳はゆっくりと息を吸い、吐きだした。腰に下げた刀を握り一歩踏み出す。
「それじゃあ、行ってきます」
「おう。……行ってこい」
ゲートに足を踏み入れる。僅かに視界が揺れる。
振り向くとすでにそこに本丸も豊前の姿も無く、広がっているのは戦場だけだった。
「どんな場所でも、私にできることをやり切るだけ」
まずは偵察だと身を隠せる場所を探すことから始めることにした。
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yuuuuui_0131(プロフ) - 更新ありがとうございます!!本当に大好きです!!無理せずに更新頑張ってください!応援してます!!!! (6月8日 21時) (レス) @page23 id: 8c737f26a1 (このIDを非表示/違反報告)
time rain(プロフ) - らむさん» らむさんありがとうございます!あまり更新頻度は高くありませんが、完走できるよう頑張ります! (2022年1月5日 9時) (レス) id: f96f3e1548 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - 凄く好きです…!!!!更新を楽しみにしています! (2021年12月28日 16時) (レス) @page6 id: 39bdeb846c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:time rain | 作者ホームページ:http://id34.fm-p.jp/455/sigureneko/
作成日時:2021年12月19日 12時