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朝食を終え、蘇芳は審神者の部屋へと呼ばれた。話の内容は勿論今日の初陣の事だった。
「蘇芳は、真剣必殺を知っているかい？」
「しんけん、ひっさつですか」
初めて聞く言葉に蘇芳は首を傾げる。審神者は端末を操作していくつかの映像を見せてくれた。そこにはこの本丸の男士たちの戦場での様子が記録されているようだった。
「刀剣男士はその身に危険が迫っているとき、戦場を条件に真剣必殺を発動するんだ。安全装置、と言えばいいかな。火事場の馬鹿力のように目の前の敵を倒し、本丸への帰還可能状態に持ち込むためにね」
端末の中の男士が中傷になった。蘇芳はヒュッと息を呑んだ。その瞬間、彼は先ほどまでの何倍もの力で敵を押し戻し、斬り伏した。
「刀剣男士にはその力が生来備わっているというのが政府の主張だ。しかし、もしものことがあっては困るからここに来た新入りには『絶対折れない条件』を整えて初陣を迎えてもらっている。君達に戦場での痛みと真剣必殺の感覚を知ってもらうためにね」
審神者は淡々と言葉を紡ぐ。しかしその表情は罪悪感で歪んでいる。何度も何度も来たばかりの男士たちを送り出してきたのだろう。その度にきっとこの人は胸を痛めていると容易に想像できた。そして今回はそれだけではないことも。
「将でありながら怪我をしろと命じる自分を恨んでもらって構わない。でも、これは君たちがこれから生きるためには必要なことなんだ。分かって欲しい」
蘇芳はそっと審神者の手を取った。
「大丈夫ですよ主様。正直、女士という例のない存在と男士が同じ機能を持っているとは限りませんから。実験をせねばならないのは仕方のないことですよ」
蘇芳江は女士だ。真剣必殺がもしかしたら使えないかもしれない。使えるものという前提で皆と同じように戦場に送り込むが、万が一の時はそのまま甚振られて敗北するだけだ。
「ここを乗り越えられねば他の江のモノに合わす顔がありませんから。お任せください」
胸に手を当て、蘇芳は微笑んだ。それを見て審神者は覚悟を決めたようだった。懐から何かを取り出し彼女に渡す。
「お守りだ。単騎の時は折れることはないとも言われているが念のために」
「拝命いたします主様」
お守りを受け取った蘇芳は本体を掴むと立ち上がった。
「では、行ってまいります」
「武運を」
＿＿＿＿＿＿＿
顕現即単騎出陣。またの名を真剣必殺グラ回収。当事者はこんな理由なのかなとの妄想です。
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yuuuuui_0131(プロフ) - 更新ありがとうございます！！本当に大好きです！！無理せずに更新頑張ってください！応援してます！！！！ (6月8日 21時) (
レス) @page23 id: 8c737f26a1 (このIDを非表示/違反報告)
time rain(プロフ) - らむさん» らむさんありがとうございます！あまり更新頻度は高くありませんが、完走できるよう頑張ります！ (2022年1月5日 9時) (レス) id: f96f3e1548 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - 凄く好きです…！！！！更新を楽しみにしています！ (2021年12月28日 16時) (レス) @page6 id: 39bdeb846c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：time rain | 作者ホームページ：http://id34.fm-p.jp/455/sigureneko/
作成日時：2021年12月19日 12時
