お隣さんの中村さん【中村倫也】-完結-

お隣さんの倫也さん--1 ページ47

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冷える12月23日…ではなく、日付超えて24日。
世間はｸﾘｽﾏｽｲﾌﾞなわけだけど、うちはちょっと違う。

私の家には、聖なる日に生まれた人が帰ってくるから。



玄関先で息を潜めていれば、とんとんと近づいてくる足音が分かる。
がちゃ、と差し込まれた鍵。回す音。
ﾄﾞｱが、開く音。




ぱ ぁ ん 、



と高い音に身構える彼は、中村倫也さん。
今日が誕生日の、私の旦那様だ。




「 …びっ、くりしたー。なに？ 」


頭にくっついてるｸﾗｯｶｰのﾃｰﾌﾟを取りながら、ふふ、と微笑む倫也さん。仕事先でお祝いされなかったのかな。




「 昨日呟いてたじゃない、今日誕生日だって！ 」
「 あー…お祝い？ 」




私が持つ終わったｸﾗｯｶｰを指す倫也さんに頷く。
そっかそっかと倫也さんは私の頭を雑に撫でた。




「 いや、さっき早めにってお祝いの花は貰ったけどさ。Aはもう夜だし寝てると思ってた。っていうかずっと待ってたの？！ここで？！この寒いとこで？！ 」




目を見開いて私の頬を両手で包むその手の冷たさにぎょっとする。




「 廊下寒いのにさ。風邪ひくよ、早く入って 」
「 それはお互い様だよ 」



そう言いながら嬉しいのか、ふふふ、とご機嫌のままﾘﾋﾞﾝｸﾞに入る。

ふふふ、ﾘﾋﾞﾝｸﾞにだって御馳走があるんだぜ。




「 改めて、倫也さんお誕生日おめでとう！ 」
「 ありがとうー 」




ﾘﾋﾞﾝｸﾞのﾃｰﾌﾞﾙの隣に座る倫也さんに拍手。
仕事があるから夕飯が食べれないという連絡をもらっていたから、朝と昼のためにと御馳走を作った。ｸﾘｽﾏｽｲﾌﾞでもあるし。




「 食べるの楽しみだな 」

「 ほんと？！ｹｰｷも作ったんだよね、めちゃくちゃ恋あたに影響されて 」




そう、そしてついこの前終わった倫也さんの主演ﾄﾞﾗﾏ「この恋あたためますか」。ﾄﾞﾗﾏで沢山の美味しいｽｲｰﾂを見たものだからｹｰｷを作りたくなってしまったのだ。




「 美味そう、ﾁｮｺﾚｰﾄｹｰｷ。食べていい？ 」

「 え、もう0時回ってるよ？良くないんじゃない、起きてからも食べれるし… 」

「 えー、今食べたい。一口だけ！ 」

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