ゲーム大好き声優です 3

決心がついたんだ ページ13

杉田side





杉田「あっ！良いこと思いついたーー！！」


田中「嫌な予感しかしないんだけど」




もう最近こいつに先輩と思われてない気がする。
まぁ、少し戯けた口調で言った俺も悪いかな。




杉田「中村は嘘をつく時に、ひげを触るクセがあるんじゃ！(オーキド博士の声)」


田中「…そーなんだ…。ってそれが何なんですか……」


杉田「これを使ってあいつの気持ち確かめてみるとか、どうだ？」


田中「杉田さん、楽しんでるでしょ」


杉田「…ばれた？」


田中「もー…」


杉田「いい案だと思ったんだけどなぁ」


田中「…」


杉田「お前の次のセリフは…『杉田さんって使えない…』と言うっ！」


田中「杉田さんって使えない…。ハッ！！…じゃなくてさ」


杉田「自分で言わせたが、心にくるな…」




すると、家の呼び鈴が間髪入れずに３回鳴った。
今日は来客が多いな。

はいはい。と訪問者には聞こえるはずのない返事をしながら、廊下のインターホンを覗いた。




杉田「…はい。……どちらさまですか？」




返事は無く、画面にも何も映っていない。

いまどきピンポンダッシュか？




杉田「どちらさまですか？」




念のため繰り返すと、とても小さな声で返ってきた。




？？「あ……あの…」




車が通る音と重なって聞こえづらく、何者なのか全くわからない。
男の人の声だが…。

その男はバツが悪そうにこう言った。




中村「……俺だ。開けてくれ、杉田…」


杉田「えっ……？」




意外すぎる訪問者に単純な疑問の声がもれる。

そんな俺の声が気になったのかAが廊下に顔を出した。




田中「杉田さん？」


杉田「いーから、お前はリビングいってろ」


田中「えー？」




気になるー。と小言を言いながらも、リビングに入っていったAを確認して玄関に向かい、ドアを開ける。




杉田「中村…？」




俺が尋ねても返事をせず、帽子を深くかぶり目を伏せる中村。




杉田「どうしたの？」




優しめな声で聞くと何も言わないまま、いきなりすごい勢いで頭を下げた。




中村「杉田、あの時は本当にすまなかった。決心がついたんだ。俺、Aに包み隠さず言おうと思う！」




こないだみたいな迷っていた中村とは違う。
俺が今まで見てきた中村。
俺が一番好きな、中村。


でも途中、俺の背後からリビングのドアが開いた音がしたのは、気のせいか…？

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