ゲーム大好き声優です 3

実は両想い ページ1

田中side





石部「Aだけじゃなくてさ…。中村さんと安元さん。せっかくのおっきい仕事無くなったら残念だろうなぁ〜」


田中「っ！」


石部「これは断れないでしょ？w」




お2人に迷惑はかけれない。

私へ天からの同情なのか雨が降ってきた。




田中「…最低ですね」




ニヤッと笑みを浮かべると、先ほどより強い力で引っ張られる。

迷惑はもちろんかけたくない。
けど、これからすることを想像すると吐き気がする。
そんなの…嫌だ。

私も出来る限りの力で抵抗した。


もしかしたら時間を稼げば、誰かが気づいてくれるかもしれない。




石部「…頑固だなぁ。別に付き合ってる人もいないでしょ？好きな人もいないのかな？」


田中「いますよ。私にだって…好きな人」


石部「へぇ〜誰？w」


田中「言わない、あんたになんか」


石部「言ってよ〜」




「嘘つけ」、「どうせ居ないだろ」と言いたげな顔でこちらを見下してくる。
もう彼の何もかもが気に食わない。




田中「嫌d」


石部「居るなら言えつってんだろ？」




いきなり表情が変わった石部に、心の底から恐怖心を感じた。
先ほどまでヘラヘラしていた笑みが消え、鋭い目つきで睨まれる。
そして、私の腕を掴む力が強くなった。

痛い。そして、怖い。

言葉がうまく出ない。




石部「早く言えよ」




巻き込みたくない。
のに、頭に浮かぶのは彼だけだった。




田中「…私中村さんが好きです」




さっきカフェの店内で気づいた。
私の中で “好き” に当てはまるのは全て中村さんだった。




石部「…へぇ。……一気にやる気が起きた」




その言葉でスイッチを入れてしまったようで、ホテルのドアに手をかけ、引く力が更に強まる。
私も負けずに抵抗した。




田中「嫌だっ！！」


石部「そっかぁ〜、あっちの片想いかと思ってたけど…りy」




バキッと大きい音が鳴り、驚き目を瞑る。
しばらく瞑っていても沈黙が続いた。


不思議に思って数秒経った後に、目を開けると、ドアに手をかけながらなにかを言いかけた石部は、私の目の前にはもう居ない。

というより、何か言った瞬間黒い何かとぶつかって横に飛んで行った。のかな。
怖くてすぐに目を瞑ってしまったので、わからなかったが、なぜかそんな展開に安心している自分がいた。

……黒い人が石部を殴ったんだ。と気づいた時にはその黒い人が倒れてる石部を掴み起こしていた。

中村…さんだ→

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