…奇遇だね。 ページ19
中村side
あれからずっと杉田、梶田君とゲームで遊んだ俺は、気づけばパソコンの椅子の上で寝ていた。
寝心地が悪いのと、空腹で朝方に目を覚ます。
今日仕事が無くてよかった。
お腹は空いたが自分で作る筈なく、即席の物も家には置いていないし、結論は1つだった。
中村「コンビニ行くかぁ」
そう、コンビニが隣という理由でこの家に住んでいる。
ただ、そんな近距離でもオフの日に家から出るのはめんどくさい。と言っても出るのだが…。
ジャージにマスクだけでいいだろう。
と考えていたこの時の俺は隣人のことなんか頭からすっぽ抜けていた。
家の鍵と財布という必要最低限の物と、マスクにニット帽、ファーがついたジャージを身にまとい家を出た。
玄関を出た瞬間俺の家の前を通る人と目が合う。
なんの罰ゲームなのか、通行人は彼女だった。
田中「あっ、おはようございます!凄い…偶然ですね」
彼女自身もこんなタイミングで俺が出てきて驚いただろう。
中村「…奇遇だね。仕事?」
田中「いえ、買い物に…。中村さんはそのジャージってことは…収録ですか!」
気づかなかったけど、俺が今着てるジャージはファーを取れば紛れもなくエンカウントのジャージだった。
中村「よくわかるね。でも、残念ながら収録じゃない」
田中「ラ、ランニングですか?」
中村「俺がランニングするように見える?」
田中「見えないです」
中村「だろうね笑 今日休みだから、コンビニで飯買って篭ろうかと」
田中「!?」
中村「え、そんな驚く?」
田中「ダメですよ!」
中村「…え?」
田中「コンビニご飯ばかり食べてたら健康に悪いです!もっと体を大事にして下さい!見た目よりか弱いんですから!」
中村「いや、あの…はい」
彼女が凄い勢いで話すので、圧倒されて「はい」しか言えなかった。
だが、自分なりに少し反論をだな…。
中村「わかった!野菜も食べる!それならいいのか?」
田中「…ちょっと失礼します!」
と言って、彼女は俺の腕を掴んだ。
そしてそのまま歩き出す。
中村「え?」
思考が追いつかない。ナニコレ。なんで俺は年下の女の子に腕を引かれているのか。
本当なら田中さんは後輩なんだから「何するんだ、先輩に!」って怒ってもいい場面なんだろうが。
この状況が嬉しいから何も言えない。
しかもさっきから彼女も嬉しそうだ。
怒っているわけじゃない。
じゃあ何だ?
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ふぁくと(プロフ) - 悠衣さん» コメントありがとうございます!!そう言って頂き本当に嬉しいです(/ω\)頑張るので、是非楽しんでご覧下さい! (2017年3月29日 23時) (レス) id: 7033e1dd14 (このIDを非表示/違反報告)
悠衣(プロフ) - とってもとっても面白いです!!この小説大好きです。エンカウント編も楽しみにしてます! (2017年3月29日 22時) (携帯から) (レス) id: a5a3a00bb4 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁくと(プロフ) - 蒼井憂雨さん» ありがとうございます(;▽;)このコメントを励みに頑張らさせていただきます!! (2017年3月22日 13時) (レス) id: 7033e1dd14 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井憂雨(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってください(*´ω`*) (2017年3月22日 12時) (レス) id: f7de849322 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁくと(プロフ) - 青宙先生。さん» 【ここからは直接脳内に】本当にありがとうございます。あなたのおかげでほかの読者にばれることなく、訂正ができます笑(超小声) 本当に丁寧な訂正コメントありがとうございました。(大声) (2017年3月20日 23時) (レス) id: 7033e1dd14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぉると | 作成日時:2017年2月26日 16時