ゲーム大好き声優です

帰り道 ページ16

中村side





酔っぱらいを杉田に任せ、俺は田中さんを送ることになった。

田中さんが電車で帰ると言うので、タクシーをやめて俺も久しぶりに電車に乗った。

ゲームが好きという意外な共通点を見つけ、内心はしゃいでしまった自分が居たが、彼女も付いてきてくれて話は尽きなかった。

話に夢中で彼女が降りると言った駅にとりあえず降りたが、俺の最寄りと同じだ。




中村「あれ、田中さんの家ってここら辺？俺と最寄り一緒だ」


田中「そうなんですか！？最近引っ越してきました」


中村「まぁ、事務所近いしね。杉田もこの辺なんだよたまたま」


田中「そうなんですかー。本当に仲良いですね笑」


中村「あぁ、うん」




あれ、気まずい。
ゲームの話が終わってしまうと何を話していいかわからないな。
よく考えると、こんな年下の子と一対一で話すのは久々だ。

…周りからどんな風にみられてんのかなこの状況。誘拐に見られてないといいんだけど。

すると、彼女の方から口を開いた。




田中「中村さんは、最近……何のゲームするんですか？」


中村「……へ？」


田中「え？…あ」




思ってもみなかった質問に変な声が出る。
むしろさっきそんな話でひとしきり盛り上がったような。
人間1度盛り上がった話をもう1度すると逆に盛り下がってしまうのは何故なんだろうか。
田中さんも しまった！ という顔をしている。

顔にでるタイプだな、わかりやすい。

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