サミシガリヤ２【中村海人】 (ページ15)

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「あっでも男子とあんま話さないでね？

俺、ヤキモチ妬いて不機嫌になっちゃうかも」

『私の仲良い男子なんて、

海人くんと宮近くんくらいしかいないよ？

あっあとしめちゃんとか？』

「海斗もしめももやもやするんだけどな～

でもな～うーん…話しすぎはやだ！」

『わかった、気を付けるね？』

「うん！」

にこにこして、嬉しそう。

そんな彼の頭を、ヨシヨシと撫でる。

海人くんは目を細めて気持ち良さそうにしてる。

わんこだな…

『…好きだなあ』

「うん、俺も好き」

そう言って、頬に手を添えられる。

唇が、重なり合う。

こんなに幸せなの、初めてだなあって。

何故か涙がこぼれる。

「えっごめん、やだった？」

『ううん、幸せだなって、

こんなにも幸せなの、初めてだって思ったの』

そう言うと抱き締められ、

海人くんの腕の中に。

「俺がこれから、

もっともっーと沢山幸せあげるからね？

こんなんで泣いてたらAが枯れちゃうよ！」

枯れちゃう、という表現が

少しおかしくてつい笑ってしまう。

「えっなんで笑うの！」

『…あはは！なんか面白くて…ふふ、』

「もーやだー、」

『やだなんて言わないでよー！』

あの日、私と出会ってくれてありがとう。

寂しがり屋な私を助けてくれて、

好きになってくれて、ありがとう。

これからは私が助けてあげる、

サミシガリヤなキミを。

fin…