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「あ、お粥とかは作ってあるんだね」
『あ、うん、お兄ちゃんが作ってってくれたの』
「じゃ、あっためるだけだね!
Aちゃんは部屋に居な?暖かくしとかないと!」
そう言い、私を部屋に戻して布団の中へと押し込む
あとでお粥持ってくるね!と言って去っていく。
いやいやいや、なんだこれは。
同棲してるのかと錯覚する。
うみくんが好きと自覚した訳で、
この状況は、めちゃくちゃ美味しい状況な訳で
なのに素直に喜べないのは昨日見てしまったから。
あれについて聞けばいいのに
聞けないのは、自分に勇気も権利もないから。
何してんだろうなあほんと。
「お粥出来たよー」
にこにこしながらお粥を持ってくる。
『あ、ありがとう』
スプーンを手に取ろうとすると、
拒まれる。
「はい、あーーん」
いやいやいやいや??
これは、アウトでは???
『え、あっ、』
「もー早く食べて?」
ぷくーっと頬を膨らませる。
とことん、この顔に私は弱い。
そのことも絶対うみくんしりながらやってる、
ずるい男だ。
『あ、あーん…』
「美味し?」
私は頷く。
「流石お兄さんだねえ、
いっぱいあるからゆっくり食べてね」
…今だけはこの幸せに浸っておこうかな。
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作者名:花梨 | 作成日時:2020年11月5日 1時