サ ミ シ ガ リ ヤ【中村海人】

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＊




家に帰ると見慣れない靴が、1つ。



もしかして……





『ただいまー、あっやっぱり樹くんだ』



「Aちゃん！久しぶり〜お邪魔してます！」





樹くんは、お兄ちゃんの数少ない友達。


私も一緒に遊んだりして仲良くしてもらってる。





そういえば、樹くんってモテるよな…



ちょっとお話聞いてもらおう、お兄ちゃんいるけど。





『ねー樹くん』



「んー？」




『樹くんって爆モテなんでしょ？


よく告白されるでしょ？』




「いや…まあそう？なのかな？


おい北斗お前、Aちゃんになんか言った？？」




「樹が告白されたら毎回報告してる」




「おま何してんだよ！！


まあ…モテるって言ったらモテるかも」






『そんな樹くんに質問なんだけど、


告白されてから気になり始めるってどう思う？』






「え、？Aちゃん告白されたの？」



「ちょっとまてA、


それ聞いてないんだけど誰？？それ誰？？？」





『お兄ちゃん煩い、樹くんに聞いてるの！』






「告白されてから気になり始めるのが


あんまり良くないって思ってるの？」






私は頷く。






「ははっ！そんなことないよ絶対、


告白して気になり始めるなんて割と普通じゃない？」





『でも、流されてるって言われたら…』





「誰に言われるの？


自分の気持ちは自分で決めるでしょ？



もし言われたとしても、


そんなの気にしなければいいんだよ」







頭をポンポンと撫でられる。




あぁ、そっか。



そうなんだ。





『…ありがとう、樹くん。』




「おう、ところでその話気になるから


聞かせてもらっても大丈夫？？？」






…感謝したのを、取り消したい。









＊

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