サ ミ シ ガ リ ヤ【中村海人】

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『い、やそういう訳では…』




｢えーほんと？話したい事あるなら


話していんだよー？｣





そう言われると話す予定が


無かったものも話したくなるものだ。








『…あのね、昨日海斗デートだったんだって、


幸せそうに笑って、この服で大丈夫かな？なんて


そんなこと言って笑ってる海斗なんて、見たくなかった』









正直、しんどい。









そう伝えた。





あの時を思い浮かべると、今でも泣きそうだ。



でも泣いてばかりじゃダメだよね…






｢泣いてもいんじゃね？｣




『…え？』






｢泣いて駄目なんてことないでしょ、


沢山泣けばいーじゃん？｣






そう言われて涙腺が緩んでいく。





『そういうこと、言わないでよ、


ここお店だから、泣きたくない…』






｢えー？じゃあ俺ん家来る？｣




『行きません！！！』





｢ちぇ｣






そう言いながらモグモグとご飯を食べている。




目をキラキラとさせて、うま！と言いながら


食べ進める姿は小動物みたいだ。






｢あ、お酒もう少し飲んでいーい？｣




『いいけど明日授業なんじゃないの？』






｢大丈夫大丈夫、Aちゃんみたいに


ヘマしないから！｣






…遠回しに馬鹿にされている気がする。






｢まじでうっまいんだけど、あ〜幸せ〜｣









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