サ ミ シ ガ リ ヤ【中村海人】

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＊




『…もう嫌だ』



｢ねえちょっと飲み過ぎだよ、少し抑えなよ｣





『今日くらい酔わせてよ…』







もう、何杯目かわからない



だけど飲まなきゃやってられない





…ずっとずっと好きだった人、忘れられるわけない。






同じ気持ちだと思ってた、




伝えなくても、わかってると思ってた。









今更、もう遅かった。









｢そういえば！俺付き合うことになった！｣





急に落とされた爆弾、



私の思考を停止させるには十分すぎる言葉。








『…へえ！おめでとう〜！！


良かったじゃん？先越されたわ〜』






｢へへ、Aも早く作れよな〜！｣






じゃあ海斗が彼氏になってよ



そんなこと、言えるはずもない。






私は、幼馴染の松倉海斗のことが



ずっとずっと好きだった。





そんな長年の恋も、終わりを迎えた。









｢…だから言えって言ったのに、｣





『だってぇ……』






｢Aまじで顔やばいよ｣







『…今日くらい優しくしてくれても良くない？』







さっきから話しているのは七五三掛龍也。



バーの店員なんだけど友達みたいなもん。






｢まあ傷深そうだから話に付き合ってあげるけど｣







こういう所は優しいなあ。









ﾁﾘﾝ








｢いらっしゃい。…あ、かいと、｣







えっ今、






『…か、いと、？』









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