シェパードくんを生かす母からの贈り物 ページ43
なぜそう口をついたのか分からない。
さっきの女性とミコに、なんの面影もないが、ただそう、考えるより先に、言葉が出ていた。
目を伏せたミコが、するすると"別の何か"になっていく。
『……は……』
ミコが、いや、先程までミコだったものが、俺が追いかけた女性……母親の姿に、形を変えた。
『……お、…かあさん、…』
千｢…、｣
お母さんは、一瞬だけ悲しそうな顔をして、無言のまま立ち去ろうとした。
頭の中がこんがらがって、言葉も上手く出てこないけれど、咄嗟に細い腕を掴んだ。
『待って、お願い』
千｢……離して｣
『いやだ……ねえ、かあさん、おれは、』
千｢わたしはおまえを捨てたんだよ！おまえも分かってるでしょ！？あの男の元におまえを捨て置いたの！おまえのこと、見殺しにしたの！｣
『じゃあなんで！俺に血をくれたの！？なんで俺の血液型をずっと覚えてたの！？なんで今、この病院に、俺の病室の前にいたの…！？』
初めて母から貰ったものが、今俺を生かしている。
俺はそれが、嬉しかったんだ。
ああ俺、なんだってこんなに泣き虫になっているんだろう。
ずっと泣いてて、情けないなぁ。
『なんで、…猫になってまで、俺のそばにいたんだよ…』
あの日偶然、ミコに出会ってから、ミコはずっと俺と一緒にいた。
ずっとそばに、猫の姿をした母親がそばにいた事になる。
千｢…わたしは、…あなたの母親だなんて、名乗る資格もないのに…｣
『わ、』
千｢…っ、こんなに、大きくなったのね、……｣
『……おかあさん、…』
物心着いた時にはもう、母はいなかった。
顔も朧気だった母の温もりが、なぜかこんなにも懐かしく感じる。
悪夢で見続けた母の幻は、俺の負の感情で形づくられたものだったんだ。
こんなにも近くにいたのに、俺はそれに気付きもしなかった。
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オタクですが何か？(プロフ) - 僕はみんなの幸せを祈りし者､､､ (2022年5月5日 14時) (
レス) id: 9c417775fd (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 番外編めちゃくちゃ見たいです！！幸せになってシェパードくん…！ (2022年5月3日 10時) (レス) @page50 id: 5ff7eeab78 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - はぁ、もう感極まって泣きそうです、、、、。シェパードくん、ピットさん、相澤さんもうみんな最高です！！！！！大好きな展開、！！！！！！！！ (2022年5月3日 1時) (レス) @page50 id: 8a4564c330 (このIDを非表示/違反報告)
オタクですが何か？(プロフ) - みんなと気持ちが同じすぎる､､､とりあえず控えめに言って神ーーーーーーーーーーー！！ (2022年5月2日 19時) (レス) id: 9c417775fd (このIDを非表示/違反報告)
ミックスジュース(プロフ) - コメント失礼します!この作品が本当に大好きで、パート1からずっと読ませていただいています!作者様がよろしければ番外編、裏話などが見たいです!毎回投稿楽しみにしてます!無理しない程度に投稿頑張ってください! (2022年5月2日 19時) (レス) @page50 id: 477dc136a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこぺん | 作成日時：2022年4月19日 8時
