真夏の恋よ、２【三好一成】

いいかなって、 ページ10

道敷side







三好くんが私の手を無言で引いた時、驚いたのと同時に、どこか安心した私がいた。









突如自己紹介し出した彼が面白くて、なんとなく気まずくて避けてた気持ちがほどけていった。









彼の抱える闇を知って、それでもその闇を自分で乗り越えた彼の努力を垣間見た。









…だから、いいかなって、思っちゃったんだ。









私の事、全部話しても。









『…あの日、あの子が言ってた事は、全部本当の事だよ』








三好くんが座るスペースを空けると、おずおずと隣に座った。









一｢…全部、本当って…？｣









『黒崎先生と付き合ってる、ってのは違うけど』







一｢つ、付き合ってないの！？｣








『ないよ、噂立っちゃうのもしょうがないけどね。黒
崎先生は、…そうだな、…保護者みたいな感じ』









一｢保護者…？｣








『…私ね、親に捨てられてるの』









一｢え…？｣









『小学5年生くらいの頃かな。私の絵が、人を不幸にするって』









"黒崎先生と付き合ってる"、"不幸が訪れる絵"、"親に捨てられている"。









今のところ、2つはちゃんと事実だ。









それを自分から話してるなんて、滑稽に思える。









『私が描いた人物はね、必ずと言っていいほど何か身の回りで不幸なことが起きるの』

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