制服革命５ / Shori.S

FATE. ページ8

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「け…健にぃ、？！」



急に力の抜けた健人くんが、僕にもたれかかってきてAちゃんの体では耐えきれない重みに後ろに倒れそうになる。





風「…っとぉ、危ねえ、」


先輩が僕を支えて胸をなでおろす。







呼びかけても返事がない。

意識を失ってしまったみたい。





風「Aちゃん、これ持って、」


スーパーのビニール袋を握らされ
先輩は健人くんを背中に乗せた。








風「… 寝てんのか？こいつ」




健人くんの綺麗な顔に似合わない複数もの傷。

頬の細い切り口には
血が赤黒く固まっていた。







風「…偶然…会えて良かったな、」




風「Aちゃんが見つけてなかったら、」


風「中島、ちゃんと帰れたか分かんねーな」


このザマじゃ、なんて先輩が笑う。





高3にもなって
男におぶられて寝てるなんてダッセェ

そう眉を下げる先輩は緊張が解けたのか、さっきより柔らかい表情をしていた。








久しぶりの家。





先輩は、Aちゃんの家に入るのは
初めてだからか、少しソワソワしてるみたい。


中島が引っ越してきたのか、教えろよバカ
と、眠っている健人くんの頭を軽く叩いた。







風「中島が起きるまで、」

風「この家いていい？」



そう僕に問う先輩の目は
なぜかとても切なかった。



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