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FATE. ページ12

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「…あの日、帰ってきたら、」


「…家が荒らされてたんだ。」




4日前のことだったか。
玄樹と帰っていた時に、かかってきた電話。


あれは健人くんからのものだった。無視した僕は、玄樹とノロノロと帰路を歩いていた。



家に帰ると荒らされていた家。テーブルに残されたココアがまだ温かかったことを覚えている。








「俺、はじめ何が起こってるか理解できなくてさ、」


「呆然としてたんだ、」





「そしたら、…突然背後に気配がして、」




振り向いたら、何かで…


……殴られた。




丁寧に優しく言葉を紡ぐ健人くんが
少しその端整な顔を歪ませた。





「きっと、そいつは俺が気絶したと思ったんだと思う、」


「たしかに、数十秒間か痛みで動けなかったけど、」




「直撃ってわけじゃなくて、」







覆面のそいつは、何かを探してたんだ。
俺が気絶したと思って、背中を向けてた。



だから、…顔だけは見てやろうと思って、

後ろから掴みかかった。







「もっと強かったらなぁ、なんて思ったよ…」


「情けない兄ちゃんだなあって。」





「当たり前に、そいつが何も武器を持っていないなんてことなくてさ、」


「顔見るどころか、声すら聞けなくて、」




「スタンガンを当てられて、」



と、健人くんが部屋着のチャックを下ろして、
横腹に浮かび上がる特有の痕を見せる。




青くなった赤色が痛ましく
異様な雰囲気を放って存在していた。







「意識が遠のく前に、Aに電話したんだ、」


「けど、繋がらなくてさ、」








「とりあえず帰ってくるなって。」







そのまま気を失ってしまって、
起きたら知らない場所にいたんだ。

目を塞がれて、縛られて。






どう連れていかれたかも、
誰がやったのかも、分からなかった。









健人くんが随分と水分を含んだ目で
僕らを見つめた。


.

@ 作者→←FATE.



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伶奈(プロフ) - この話続きないんでしょうか?!犯人がわからなくて続きが読みたいです、!! (2021年10月25日 0時) (レス) id: 4a8c2e0b5c (このIDを非表示/違反報告)
K_(プロフ) - けっこう時間が経ってますが、とても面白い話だったので続きが気になります!更新はもうないのでしょうか。 (2021年5月5日 18時) (レス) id: c13bf1c07f (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - とても面白いので、最後まで見たいです!更新お願いします! (2019年11月20日 17時) (レス) id: 985d7c4caa (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 続きすっごい気になります!!お願いします! (2019年11月14日 7時) (レス) id: e0292a59d7 (このIDを非表示/違反報告)
@Kento※頑固同担拒否 - 続きないんですか!?この小説今まで読んだ中で一番面白くて…続き気になります! (2019年8月8日 18時) (レス) id: 367f723e61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふわり | 作成日時:2018年4月14日 14時

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