彼のミルクティー。

#milky ページ43

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電車に乗っても思い出すのは
さっきの２人の後ろ姿。




あんな可愛い子に、
勝てるはずなんかない。



ていうかまず、ライバルにもなれないよ。






ふいに佐藤くんを見上げると、
彼は車窓からグレーの景色を眺めていて、
その表情はどこか悲しい色をしている。



生徒会室で彼が眠っていたときに見た、あの表情。





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「あんたさぁ、」


「控えめすぎるんじゃない？」



私の視線に気づいて、
佐藤くんがいつもの目を取り戻す。




「何が？」





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「本気で好きなら、遠慮する必要ある？」


「てか、遠慮なんかしてる余裕、あんの？」



何故かイライラしてるようで、
下唇を噛んで私を睨む。



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「あの女、健人くんの幼馴染」


「兼 元カノ。」



佐藤くんが今度は楽しそうに口を歪める。





「急接近してるマネ、ってあいつのことだよ。」


由奈との会話を聞いていたのか、
つくづく悪趣味だと皮肉を言おうとしたのに。





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「…河合ゆりな、」


そう呟く佐藤くんが、か弱く見えた。



"ゆりな"


佐藤くんの瞳がまた揺れた。


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