彼のミルクティー。

#milky ページ12

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「うそ、」



その４文字を見るだけで
こんなに幸せになれるんだ。



「うそ、」




「A？」


風磨が私が目を大きくしているのを
不思議そうに見る。





「中島くんと一緒、」


「へえ、良かったじゃん」


いっつも、馬鹿じゃねーのとか言うのに。

なぜか今日は言わずに、
教室に向かって早足で歩き出した。





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去年とは全く違う気持ちで
教室に足を踏み入れる。



今日から中島くんと、同じクラス。

今日から 中島くんと …



頭の中で、繰り返しつぶやいては
スキップしたい気持ちになる。





「今年もはじめは自由席だってよー」


名前もわからない男子生徒が
声をかけてくれて

私は今年も窓際の1番後ろに座って、
風磨は私の前に座った。





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「桜、今年も咲いてる」


「きれい…」


今年も桜が綺麗に咲いてる。
風にふかれて、花びらが舞う。


無意識につぶやいた。





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「そうだね、」


独り言に返事があって、
驚いて、桜から視線を外す。








「…な、中島くんっ」



私の隣の席に
スクールバッグを下ろした彼が
にっこりと微笑んだ。

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