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ゆらゆら。


ゆらゆら。



硝子を通った柔らかな光が、俺の顔の上で不規則に揺らいでいる。

夕暮れのオレンジがかった光を翻弄するのは、窓辺に置いた金魚鉢の水面。


雄同士の癖にやたら仲のいい二匹の金魚が尾を揺らすたびに、水草が躍り水面が煌めく。



俺はただ、畳に転がったまま顔の上にかかるレースのような陽の光を受け止めるだけ。



ゆらゆら。


ゆらゆら。




目を開けていても、閉じていても、見えるものは結局同じ。



揺らめく光と影。

それだけ。




俺は、果たして、

目を醒ましているのか、

眠っているのか。



…生きているのか、

死んでいるのか。









初めて書いた作品が児童文学の賞をとったのは、12歳、小6だった。


天才と言われた。


あの頃は、書いても書いてもコトバが溢れて止まらなかった。


世間は、大人たちは、俺をもて囃し更なる期待をかけた。

期待に応え続けた数年間。

高校の最後の年に書いた作品で、俺の作家としてのキャリアは止まった。



あれから、もう、10年。

世間は俺がもう書くのを辞めたと思っている。




でも俺はまだ諦めていない。

俺が俺であるための、コトバ。


もう少しで溢れ出てきそうなんだ。

もう少し。

もう少し。

あと、ほんの一押しで。






…目を開けていても、閉じていても。



見えるものは同じ。

見えないものも同じ。









畳は冷えている。


もう、どのくらいの時間こうして横たわっているのか。




顔の上に両腕をのせてみる。

瞼の裏が真っ黒になる。

金魚鉢の水面に翻弄されない闇を手に入れて、俺の意識が深く沈んでいく。





俺は、生きているのか、


…死んでいるのか。



















「やぶっ!」

「やぶちゃんっっ!!」




玄関の引き戸を乱暴に開ける音と同時に、二人の陽気な声がした。

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めめめ(プロフ) - 夏夢さん» ありがとうございます。そこにお笑いも入れたくて、もうとっちらかっておりますが。あらーもうすぐ移行だ。やはりまとめきれませんでしたーヤバイヤバイ (2020年6月28日 16時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - くふふふふふ。不思議と切なさが絶妙な、大好きな世界です!そうよ邪魔されないとこ行って行ってー!見せ付けてもよろしいけどうふふふふ♪ (2020年6月28日 13時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
めめめ(プロフ) - みるみるみるきーさん» ふふふふふ。今度こそはどっかにしけこみましょう。それよりもやぶちゃんは鍵をかけることを覚えた方が良いですねえ。 (2020年6月28日 11時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - ふぎゃーーーっ!!よ、う、え、ん!!もーっ、邪魔しちゃダメよぉぉーー、みんなぁーー!あ、でも、今度は二人っきりで濃厚接触??ふふふふふふ (2020年6月28日 11時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
めめめ(プロフ) - Linkさん» ありがとうーございますー!なかなか書きたい感じに書けず、苦戦しております…。もっとさくさくと更新したいのですがー (2020年6月18日 22時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めめめ | 作者ホームページ:http//  
作成日時:2020年1月26日 0時

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