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『first of all』by,夢主 ページ3

(親友)「A!」






書類を持って歩いていると、背から明るい声が私を呼び止めた。








振り返ると、私の親友である(親友)が、私と同じく書類を持って、笑顔で走って来た。









(親友)「その様子じゃ、Aも幹部の所に報告書届けに行くんだ」








私「うん」






(親友)「じゃあ、一緒に行こっ!」






私「良いよ」








(親友)の明るい雰囲気に、私もつい笑顔になる。









(親友)「ねー、Aさ、この前任務先で怪我したって聞いたけど、大丈夫なの?」






私「うん。ちょっとナイフがかすっただけだから」







(親友)「そっか、良かった!



あ、そういえばねー。姐さんが今度Aとお茶したいって言ってたよ?」









私「え、ほんと!?じゃあ今度お邪魔しようかなー」







(親友)「そうしなよ!私も行かせて貰った事あるけど、凄く美味しかったよ、姐さんが出してくれたお茶」







私「えー、楽しみだなー」








そんな他愛もない話をしながら、歩いて行く。






ふと、(親友)が言った。







(親友)「Aさ、中原幹部と何か進展あった??」









私「……ある訳ないじゃないのぉ……はあ」







(親友)「え、一寸、そんな落ち込むこと無いって!」







私「うー……」







中原幹部というのは、私が密かに想いを寄せている人である。







本名、中原中也。






重力を操るという異能力を持ち、マフィア一の体術使い。





また、かつては双黒と呼ばれた黒社会最悪最強のコンビの片割れである。







私なんかが気軽に話せる相手では無い。









なのに、私は彼を好きになってしまった。









このことを知るのは、唯一の友達……………親友である(親友)だけ。






(親友)「まー確かに、中原幹部って格好良いもんねー。結構モテてるし」









私「ねー………。私なんかが好きになって良い様な人じゃ無いよ」








(親友)「否々、好きになる事に良いも悪いも無いと思うよ!?」









私「有難う、(親友)。あんたの言って来る言葉って凄い励ましになる」







(親友)「如何いたしまして♪まー、元気出して!頑張れ!」








私「(親友)も治と頑張ってね」








(親友)「うっ………」








私「ほら、私も頑張るから(親友)も頑張って!」







(親友)「わ、分かってるよ〜!あ、じゃあ私はこっちだから、また後でね!頑張れ!」








私「うん、じゃあね」





私も(親友)みたいに、自信を持てたらなぁ……。




そう思って、溜め息をついた。

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作者名:妃薫 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakaharaty1/  
作成日時:2017年3月29日 18時

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