epi.1-8 ページ8
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手を引っ張られ着いた先は、アニメで見た工藤邸だった。表札にも工藤と書いているので間違いない。
「えっ何でここ…」
「おや…確か前にも言ったはずですが、こちらのお家に居候中なんです」
「言ってた、気がする…」
「さ、どうぞ」
慣れた手つきで門を開け、入るように促す。
全部が全部、俺の家の倍以上の大きさだ。何だか場違い感が否めない。
「座っていてください。グラスなど用意してきますね」
「…うん。ありがとうございます」
手伝いたいのは山々だ。だが割ってしまったら貯めていたお金とさようならをしなくてはいけなくなりそうなので大人しく座って待つ。
「バーボンはお好きですか?」
「バーボン好きだよ。よく飲む」
なら良かった、と持っていた片方のグラスを俺の前に置く。トクトクトクという音を立てながら氷の入ったグラスに注がれるバーボン。
「……ライ、は好きですか?」
「ん?ライも好きだな」
「ふふっ、そうですか」
沖矢は少し微笑んだかと思うと、ゆっくりとグラスを煽った。
久しぶりにAに会えたから、半ば強引に家に連れ込んだ。
自分で話を振ったのにも関わらずAの「バーボンが好き」という言葉であの男を思い出し年甲斐もなく嫉妬してしまった。
ライという名に愛着など微塵もないが、一時とはいえ呼ばれていたその名をAが口にし好きだと言った。
口角が無意識に上がったのを、バーボンを流し込む事で隠す。
ライでも沖矢昴でもなく赤井秀一として、Aの前に出られたらAに名を呼んでもらえたらどんなに幸せだろうか。
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なかだ(プロフ) - ユンさん» いえいえ、私も上手く理解出来ずにすみませんでした。ありがとうございます!少々お待ちください…! (2018年5月9日 8時) (レス) id: a19897898d (このIDを非表示/違反報告)
なかだ(プロフ) - YuriYuriさん» コメントありがとうございます。男主好きな同志様に読んでいただけて嬉しいです!はい、これからも更新頑張ります…! (2018年5月9日 8時) (レス) id: a19897898d (このIDを非表示/違反報告)
ユン - ツイッターの小説のことです 日本語が足りなくて申し訳ないです… 楽しみに待ってます! これからも頑張ってください! (2018年5月8日 18時) (レス) id: 179cc2b81d (このIDを非表示/違反報告)
YuriYuri(プロフ) - この作品大好きでいつも見ています!!男主大好きです。これからも頑張ってください!! (2018年5月8日 18時) (レス) id: 5bdc3179ab (このIDを非表示/違反報告)
なかだ(プロフ) - ユンさん» もしツイッターに載せたこの小説の番外編のことでしたら、溜まったらまとめて占ツクに載せようかなとは考えております。ですので今すぐに載せるということは難しいです、申し訳ございません。 (2018年5月8日 0時) (レス) id: a19897898d (このIDを非表示/違反報告)
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