それ一緒にやらせて下さい4

-微かな光 ページ35

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岩本「ドッキリ仕掛けてる側なのに分からないままってあるの？」

『ドッキリの仕掛け人をするのは初めてなので、こんなものなんだろうなって思ってたんですけど』

岩本「俺もドッキリ仕掛ける経験あんまりないから分かんないけど、多分違うと思う」

田所さんの秘密主義に直接関係するかは分からないが、己の不甲斐なさに嫌気が差していた私にとって、"なぜ私だったのか" という疑問は僅かであっても光を感じた。

とはいえ、事実は光の先とは異なる場所にあるかもしれない。

『機会があったら聞いてみます』

直ぐに聞くとは言えなかった私に、岩本さんは「分かったら教えて」と言って話を変えた。


岩本「今日、本当はサービスエリアに行きたかったんだよね」

『サービスエリアって、高速道路のですか？』

岩本「そう。まぁ結局、少ない日数での許可取りとか人道整理とかが大変だからって却下されちゃった」

『それで海に』

岩本「うん」

『何でサービスエリアに行きたかったんですか？』

岩本「前に、Aさんが海老名に行きたいって言ってたから」

そう言われ、岩本さんが落ち込む私を食事に誘ってくれた日のことを思い出した。

『言い、ましたね』

・・・そんなこと覚えてくれてたんだ

岩本「4人でご飯食べたのって、1ヶ月くらい前だっけ？」

いつも突然スケジュールが決まるため正確な日を覚えておらず、私はスマホを取り出してスケジュールを書き込んだアプリを開いた。

『えーと、食事に行ったのは、1ヶ月半前ですかね』

岩本「ドッキリ始めたのって・・・？」

『3週間くらい前にふっかさんと初めて打ち合わせして、その2日後に始めてますね』

岩本「ドッキリ中の3週間が濃すぎて、Aさんとご飯行った1ヶ月半前がすっごい前に思えるんだけど」

『確かに』

岩本「俺が濃いと思ったくらいだから、Aさんなんてもっとなんじゃない？」

『ドッキリを仕掛けてる間だけじゃなくて、この仕事の面接を受けた時から毎日が濃くて、流れに身を任せてただけではあるんですけど、でも必死でした』

岩本「よく頑張りました」

初めて萌香ちゃんや田所さん、KO-KIさんと出会い、面接を受けた2ヶ月半前のあの日が、とても懐かしく感じた。

岩本「あの時言ってた "期間"って、ドッキリのことでしょ？ だったらもう終わったし、頑張ったご褒美に美味しいもの食べられたらなって思ってたんだけど」

『有難うございます』

岩本「いや、結局行けてないから」



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