それ一緒にやらせて下さい4

-橙色のターン ページ13

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しかし、佐久間君の助言通りに、挨拶の後に『康二君』と続ければ、「おん！」と嬉しそうな笑顔が返ってきていた。

どうやら、向井さんの人見知り発動は免れたようだった。


ーーーーーー

今回、向井さん、基、康二君と会うに際して、私が気にしていたことは康二君の人見知りだけではなかった。

自ら切り出すことはできないが、挨拶をしてからの待機時間も撮影中も、康二君から爆弾を落とされる様子はない。

・・・康二君は、私がSnowManのファンだって知らないのかな？

そんなことを考えながら康二君を見つめていると、一瞬目が合い、晒された。

向井「・・・何？」

正直に言うことはできず、見たまま、思いついたままに返す。

『えっと、凄く楽しそうに写真を撮るなーと思って』

向井「そら、楽しいで？」

そう言って、康二君は不意にカメラのレンズを私に向け、カシャッと音を鳴らすと直ぐに逸らし、写りの確認をしている。

向井「ぬはっ。アホっ面や」

『急に撮るからですよ』

向井「キメてるのもええけど、撮られてるん気づいてない自然体な感じも俺好きなんよ」

康二君の言葉に、今日まで見てきた康二君がメンバーにカメラを向ける姿が思い浮かんだ。

『そういえば、たまにノールックで写真撮ってる時ありますよね？』

メンバーとワチャワチャしている時、康二君は正面にいるメンバーに視線を向けて話しながら、隣にいるメンバーにカメラを向けてシャッターを切っている時がある。

向井「あー、面白いことしてんな思たら撮ってるかもな。まぁ、俺くらいになると？見らんでも分かっちゃうのよね」

『なるほど』

向井「今のはツッコむとこやで？」

『え？』

向井「まだまだやな〜」

『何がですか？』

・・・何年経っても関西魂って抜けないんだな〜

急に入ったお笑いの指導に呆れるように笑ってしまう。

向井「ほんまは撮れてないこともあんで？ でもそん時は消せばええし」

『あー、確かに』

向井「難しく考えんでええのよ。カメラは子どもでもできるもんやから」

もはや康二君のいる場所は繊細で底無し沼の深いところなのだろうが、ボタンひとつでその瞬間を切り取ることができるカメラの入り口は確かに容易いのかもしれない。

向井「俺も小ちゃい時からやってんで。なんなら、撮られるより撮る方が歴は長いしな」

『そうなんですか！？』

向井「せやで。ジャニーズに入ったんは小5ん時やけど、カメラはおかんの影響でその前からやってんねん」



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