-信用できない私 ページ50
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河内「信用はしてると思う。でも心配もしてるのよ。現にデータがないって言っても何も言わなかったでしょ?」
『そうですけど・・・』
あれだけ無茶振りをされ、訳もわからず頑張ったこの2ヶ月の練習も意味がなくなりそうな今、これを優しさだと言われても直ぐに飲み込むことはできない。
河内「前に、私が "田所さんを尊敬してる" みたいな話したでしょ? 実際尊敬してるし、私は優しさも人間味もなく他人を振り回すだけの人は尊敬しない」
『・・・』
私が田所さんに初めて会ってから2ヶ月ちょっとしか経っていない。
河内さんは、私とは比べ物にならないほど前から田所さんを知っていて、私の知らない田所さんを見てきたのかもしれない。
しかし、まだ消化はできない。
河内「じゃあ、また明日ね」
『・・・はい』
河内さんが部屋を出ると、直ぐにふっかさんから話しかけられた。
深澤「録音データ、消したの?」
『いえ、本当に最初から録音してなかったんです』
深澤「"できてなかった" じゃなくて、"してなかった"?」
『え? あ、』
言葉選びを間違えたとは思ったが、ふっかさん相手に誤魔化す必要はないだろうとも思い、素直に答えた。
『必要性を感じなかったからしなかっただけです』
深澤「田所さんは必要だと思ったみたいだけどね」
『まあ、そうですけど』
深澤「多分、信用ないのは俺らの方なんだと思うよ」
『いや、まさか』
あれだけ平和な世界を作るSnowManに信用がないなんてことあるはずかない。
河内さんはああ言ってくれたが、それは河内さんの予想でしかないのだ。
深澤「にしても、明日で終わりかー。折角仲良くなれたとこだったのにね?」
話を変えたふっかさんの言葉に、昨日の "失いたくない" という気持ちが過ぎり、やはり信用がないのは私だと思った。
そして、気持ちを間違える前に終わってくれて良かったとも思ってしまった私は、曖昧な笑みしか返せなかった。
深澤「企画が終わったらどうするの?」
『田所さんから仕事を紹介してもらうことになってます』
深澤「てことは、テレビ関係?」
『多分』
深澤「じゃあ、終わった後も仕事現場で会えるかもね」
『あ、そうですね』
どんな仕事を紹介されるのであれ、今のような嘘からできた曖昧な距離は線引きされるだろう。
その期待を残し、共に生まれた寂しさには蓋をした。
――――――――――――――――
お話がいっぱいになったので移行します。
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あやのぱんだ(プロフ) - ちなこさん» 更新も返信も遅くてすみません。面白いと言ってくださり、ありがとうございます!しっかり完結できるように頑張ります! (2021年5月17日 20時) (レス) id: e4dad61570 (このIDを非表示/違反報告)
ちなこ(プロフ) - すっごく面白くてとても好きな作品になりました!!更新楽しみにしています! (2021年4月27日 1時) (レス) id: 3adce2c6d7 (このIDを非表示/違反報告)
りんか - わかりました。焦らなくていいのであやのぱんださんのペースで書いてください。次のお話楽しみに待ってます。 (2021年4月14日 0時) (レス) id: bc7370604c (このIDを非表示/違反報告)
あやのぱんだ(プロフ) - 菜々さん» ありがとうございます。公開できるまで話がまとまったら公開させていただきます。 (2021年4月13日 11時) (レス) id: e4dad61570 (このIDを非表示/違反報告)
あやのぱんだ(プロフ) - りんかさん» 時間がある時に少し書いて保存をしているので、そのせいかと思います。ただ、まだ公開できるほどまとまっていないので、、。お待たせしてすみません。 (2021年4月13日 11時) (レス) id: e4dad61570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやのぱんだ | 作成日時:2021年3月9日 0時