それ一緒にやらせて下さい3

19th stories ページ39

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グループメッセージに送られてきた場所を検索すると、やはりお高そうなお店が出てきた。

河内さんに相談をすると、メンバーのみでのご飯会にフォーマルは合わないのではないかということで、服装は無難なワンピースとなった。

そして、河内さんから「田所さんからの伝言」と言われ伝えられた内容は、ご飯会での会話の内容を録音するというものだった。

そこまでする必要性が分からず田所さんに連絡をすると、「流石にカメラは入れられないので録音で妥協したんですよ」と言われ、更に「仕事」と釘を刺された。


指定された時間より少し早くお店に着くと、個室へと通される。

部屋に入ると、既に深澤さん、岩本さん、阿部さんが待っていた。

ドッキリの協力者である深澤さんと、ドッキリだとバレている目黒さんには、録音のミッションが課せられていることは事前に伝えている。

『お疲れ様です』

挨拶をした後、どこに座るべきかと考える。

入り口に近い下手の誕生日席には深澤さんが座っていて、その右側手前の席に岩本さん、その右隣に阿部さんが座っていた。

・・・序列で考えると深澤さんの位置だけど、もう座ってるし、ここかな？

そう考え、岩本さんの向かい側の席へと移動した時、「それ、風邪ひかない？」と岩本さんに声をかけられた。

岩本さんの言葉の意図が分からず、自分の服を見る。

確かに厚着ではないが、風邪を引くほどの薄着でもない。

何なら、ここは室内だ。

『・・・？』

やはり分からず、拗ねた様子の岩本さんに困惑していると、「あー、スカート？」という深澤さんの言葉を聞き理解した。

まさか、彼女に対してだけでなく、女性全般、なんならスカートを履く人全てにそんな心配をしているのかと思い驚く。

深澤「このくらいじゃ風邪引かないでしょ、普通」

岩本「でも病み上がりだし、お医者さんに免疫力下がってるって言われたんでしょ？」

阿部「まぁまぁ、照。せっかく似合ってるんだから」

岩本「そうだけど・・・」

阿部「また後で店員さんが来たらブランケットお願いするから、ね？」

岩本「分かった」

あざとく首を傾けた阿部さんに宥められ、岩本さんは渋々納得している。

深澤「もっさん、思春期の娘を心配するパパじゃん」

このような心配を父親にされたことはなかったが、何故だか深澤さんの言葉が腑に落ちて『父親以上かも』と呟いた。

その呟きは無意識で、そんなに声は大きくはなかったが、3人にはしっかりと届いていた。



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