-避けられない事実 ページ28
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宮舘「俺達は、少なくとも俺はAさんのことを忘れない。実際、Aさんのこと忘れてなかったでしょ?」
『あ、そうでしたね』
確かに宮舘さんは、特に印象に残らないであろう初めての出会いから次に会うまでに1ヶ月半もの月日が空き、見た目が変わっていても私を私だと気づいてくれていた。
その事実と、宮舘さんの "忘れないよ" という言葉に心が和らいだ。
『それに、これから一緒に活動するんだから忘れようがないですよね』
私がそう言うと、宮舘さんの微笑みに少しの困惑の色が混じった。
その表情に感じた不安を誤魔化すように話題を変える。
『それにしても、宮舘さんがこんなにも世話焼きだなんて意外でした』
宮舘「そうなの?」
『あ、でもセキセイインコ飼ってるくらいだから、お世話好きといえばお世話好きなんですかね?』
宮舘「どうかな?」
『宮舘さんと接するようになって私はまだ日が浅いので、その答えは持ち合わせてないですけど、これから、分かりますか?』
不安を遠ざけたつもりが、全く遠ざかっていなかったことに気づき、語尾に向かって歯切れが悪くなる。
宮舘「それも、どうかな?」
そして、質問に対して質問で返され続ける違和感の答えが、なんとなくだが分かった気がした。
『・・・宮舘さんも、私の加入に反対なんですね』
宮舘「・・・」
・・・きっと、この無言は肯定だ
思えば、私の加入は事務所に押し切られたものであって、メンバーの意思ではない。
誰1人として。
『なのに、どうして優しくいられるんですか?』
宮舘「俺、優しい?」
『今のところ、優しさしか感じてないです』
宮舘「・・・そう。でも今回は康二に言われたからっていうのが大きいかな」
・・・また、向井さん?
宮舘「康二が、すごく心配してたよ。"またむちゃしたんやな" "ちゃんとご飯食べてるか見張ってや"ってメッセージがきてた」
本当に心配をかけてしまっていることを実感し、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
宮舘「でも、更に心配するかもしれないね」
『どうしてですか?』
・・・ちゃんとご飯食べたのに?
宮舘「ご飯が食べれてなかったうえに、寝れてないことまで知っちゃったら、ね?」
『それは知らせないで下さい! ていうか寝れてますから! 本当に、今日は、たまたま夢見が悪かっただけで、』
慌てる私の姿を見て、宮舘さん、いや、舘ちゃまが笑っている。
宮舘「ふふ。そういうことにしておきましょう」
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あやのぱんだ(プロフ) - ちなこさん» 更新も返信も遅くてすみません。面白いと言ってくださり、ありがとうございます!しっかり完結できるように頑張ります! (2021年5月17日 20時) (レス) id: e4dad61570 (このIDを非表示/違反報告)
ちなこ(プロフ) - すっごく面白くてとても好きな作品になりました!!更新楽しみにしています! (2021年4月27日 1時) (レス) id: 3adce2c6d7 (このIDを非表示/違反報告)
りんか - わかりました。焦らなくていいのであやのぱんださんのペースで書いてください。次のお話楽しみに待ってます。 (2021年4月14日 0時) (レス) id: bc7370604c (このIDを非表示/違反報告)
あやのぱんだ(プロフ) - 菜々さん» ありがとうございます。公開できるまで話がまとまったら公開させていただきます。 (2021年4月13日 11時) (レス) id: e4dad61570 (このIDを非表示/違反報告)
あやのぱんだ(プロフ) - りんかさん» 時間がある時に少し書いて保存をしているので、そのせいかと思います。ただ、まだ公開できるほどまとまっていないので、、。お待たせしてすみません。 (2021年4月13日 11時) (レス) id: e4dad61570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやのぱんだ | 作成日時:2021年3月9日 0時