それ一緒にやらせて下さい3

-呼び方は大事 ページ14

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・・・音を聴く

・・・移動もダンス

・・・魅せながら移動

佐久間さんからの教えを頭で反復し、私は佐久間さんの動きを真似る。

何度も何度も繰り返し踊り、手や脚だけでなく表情までもを音と共に身体に叩き込んだ。


ーーーーーー

少しだけ復習をというつもりで練習し始め、気づけば1時間以上が経過していた。

佐久「間奏のとこは2人だけじゃ限界あるし、今日はここまでかな」

まだ完璧ではないし、間奏に至っては殆どできてはいなかったが、佐久間さんの言う通り2人では限界があった。

時間も時間だということもあり、区切りをつける。


佐久「A、もう遅いから送るよ」

『・・・えっ！？』

突然呼ばれた下の名前に驚くと、佐久間さんは顔を赤くしていた。

それを見て、私も恥ずかしくなる。

・・・佐久間さん、色白だから分かりやすい

・・・赤くなるのに、なんで名前で呼んだんだろ？

『あの、名前・・・』

スルーすべきかとも考えたが、この空気ではそうもできそうにない。

少し戸惑いながら理由を聞いてみると、佐久間さんはチラッと私に視線を向けて、やはり恥ずかしそうに答えた。

佐久「俺さ、名前の呼び方って大事だと思ってんだよね。"苗字" に "さん" 付けってさ、距離感じるじゃん？ KO-KIさんより頼りやすい存在になるためには、先ずは名前からかな〜って思って」

最後に「嫌なら辞めるけど」と付け加えて、佐久間さんは視線を逸らした。

『なるほど。名前・・・』

・・・私も佐久間さんのこと "苗字" に "さん" だけど、私も変えた方が良いのかな？

・・・名前

『・・・大介、君？』

佐久「ぬふっ！？」
『え！？』

佐久「ごめ、そっちでくると思わなくて吹いちゃった。結構飛び越えてくるタイプなんだ」

驚いた後、そう言って佐久間さんは笑っていた。

自分で言ったにも関わらず、私自身でも "大介" 呼びに戸惑う。

『あ、え？ えっと、佐久間さん。あ、いや、さっくま君。あ、佐久間君！』

佐久「めっちゃテンパってんじゃん！」

更に笑う佐久間さんを見て、顔が熱くなる。

『いや、"苗字" に "さん" 以外って考えてたら "大介君" がでてきちゃって』

佐久「"大介君" でも良いでやんすよ？」

そう言われ、少し冷静に佐久間さんを見ながらふと思う。

・・・大介君

『・・・なんか、しっくりこないですね』

佐久「そうなのよ。俺、"大介"顔じゃないのよね〜。他のメンバーも "佐久間" 呼びだしね」



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