さんじゅうに ページ32
ぴんぽん。
何度も聞いた音が小さく響く。
ゴトッと物音がした後に、ゆっくりとドアが開いた。
「えっと……久しぶり？」
「うん。しばらくぶり」
この前の電話と違って、彼にアルコールは入っていないようだった。
どーぞ、と雑に部屋の中に通されると、これまた久しぶりの彼の匂いがした。
「なんか飲む？」
「あぁいや、おかいまいなく」
彼に気を遣われるのも何だか変な感じがする。
「髪伸びたね」
「Aもね、ちょっと伸びたでしょ」
「そりゃ、ちょっとはね」
ﾊﾊ、と軽く笑った。
座布団に対面して座って、私は本題を切り出した。
「あのね、今日はお金の話をしにきたんだよ」
「あぁ、うん」
「家賃の事なんだけどね」
「うん」
「これからも、私が払おうと思って」
「……え」
彼は拍子抜けした顔をした。当たり前だ。
「謝らないといけない、私」
「何で？」
グッ、と拳を握り締める。
「＿＿君は、かっこよくて、気配り出来て仕事も出来てよく立ち回れて、皆から好かれて、すごい人で、憧れで‥‥何で私に告白したのか、全然わからなかったけど、私、すごく嬉しかった」
「……うん」
「でもそれって、‟みんなの憧れの人”が、私を好きっていう、優越に浸ってただけだったのかもしれない」
いつもと変わらない調子で、うん。と彼が言った。
「ごめん。ほんと、ごめん」
頭を下げた。何も言われても仕方がない事を言ったと思う。
「お金とか、困ったら工面する。家賃も私が払う。そうやって、謝罪させてもらえませんか」
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naka(プロフ) - やぁでぅんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます😭更新止まってて申し訳ないです、なるべく早く再開できるように頑張ります！！ (7月28日 10時) (
レス) id: 8570de63d3 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - めっちゃ面白くてあっという間に見終わってしまいました！これからも無理のない程度に更新頑張って下さい！！ (7月27日 1時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
naka(プロフ) - ♡さん» ありがとうございますありがとうございます！更新頑張ります！！ (2023年3月17日 1時) (レス) id: cc5739a1e2 (このIDを非表示/違反報告)
♡ - この小説めっちゃ好きなんです(:_;)更新助かります…！ (2023年3月15日 6時) (レス) @page27 id: 61a9d4c254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：naka | 作成日時：2022年12月18日 23時
