じゅういち ページ11
早川さんの持つ買い物カゴの中に、一つ季節外れなものを見つけた。
「……花火？」
現在、11月下旬。異常気象ってやつで前の年の今頃よりも、明らかに寒さは増している。
「‥コイツがやりたいって言うんで」
「そうなんですね！うわぁ、懐かしい……これとか、色が途中で変わるんですよね」
夏のスーパーで並ぶような、よくみる手持ち花火のセットだった。
「色変わんのかよ！？すっげぇ！」
「デンジくんはやったことないの？」
「やったことねぇ」
小学生の夏休み、特にお盆なんかは親戚が集まるから、従妹たちと夏祭りの景品で当たった花火を毎年やっていたのを思い出した。
「楽しいよ、すごく」
「マジ？じゃあカノも一緒にやろうぜ」
「えっ」
いいの？とAは聞いた。
そこまで親しくない人間が、身内の中でのイベントに混じってもいいのかと思ったのだ。
「よかったら、ぜひ」
「え、えー、いや、お邪魔しちゃ悪いですし……」
「多分、二人だと余るので」
すごく気を遣わせてしまっている気がして、少し遠慮気味になっていた。
‥かと言って断ってしまったら、感じが悪い奴だと思われてしまうだろうか。
……今日は金曜日。
明日から休みだから、普通なら素直に喜べていたのに、少しだけ＿＿本当に少し、憂鬱に思える部分もあった。
それは夢にまで出てくるアイツのこと。
一人暮らしの今、特に予定のない休日はしんどくいくらいに彼を思い出してしまう。
「……じゃあ、遠慮なく！」
花火をやるとき特有の浮かれた空気感で、気が紛れるかもしれない。
デンジがやったぜ、と嬉しそうに発しながら、また一つカゴにスナック菓子を放り込んだ。
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naka(プロフ) - やぁでぅんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます😭更新止まってて申し訳ないです、なるべく早く再開できるように頑張ります！！ (7月28日 10時) (
レス) id: 8570de63d3 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - めっちゃ面白くてあっという間に見終わってしまいました！これからも無理のない程度に更新頑張って下さい！！ (7月27日 1時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
naka(プロフ) - ♡さん» ありがとうございますありがとうございます！更新頑張ります！！ (2023年3月17日 1時) (レス) id: cc5739a1e2 (このIDを非表示/違反報告)
♡ - この小説めっちゃ好きなんです(:_;)更新助かります…！ (2023年3月15日 6時) (レス) @page27 id: 61a9d4c254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：naka | 作成日時：2022年12月18日 23時
