小説家vs.天才漫画家【JOJO】

佐々木君 ページ6

「……おっも」


紙袋はかなり重い。

巻数の多さからして、結構長く続いている作品らしい。週刊連載なら特に人気を保ちながら続けるという事自体困難だと思うのだが。


「いやー俺、興奮しちゃいましたよ。本物の岸辺露伴！」

「君、ファンなんだ？」

「はい、小さい時からずっと」


……正直、だいぶ複雑である。

確か彼は元々少年漫画が好きで、少年誌に配属希望だったはず。きっと私の担当をしているのは本望じゃ無いんだろうなぁ、と思う。

佐々木君もそれに気づいたのか、「もちろん先生の小説も好きですけどね！？」と気を遣いだした。


「どうして先生は漫画が嫌いなんですか？」

「うーん、明確な理由ってのは難しいなー」

「そうですか……」


私が言葉を濁した空気を察したのだろう。
佐々木君はそれ以上聞いてこなかった。


「佐々木君は漫画好きなんだねぇ」

「はい！大好きです！」


素直で良いなぁ。
純粋な若さを見せつけられている気がする。めちゃくちゃひねくれている自信があるから。


「ピンクダークの少年、是非読んでみてください！きっとハマりますよ」

「どうだかねぇ」

「感想聞かせてくださいね！」



あの作者ってだけでマイナス1000点くらいになってるけど。

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