小説家vs.天才漫画家【JOJO】 (ページ4)

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小説家ばーさす漫画家ページ4

「私だって、」

初対面相手、そんなことを気にできる余裕はもうなかった。

「私だってあなたみたいな訳も分からない人に大切な作品を描かれるなんてぜっったいにお断りですので！申し訳ありませんがこの件は無かったことにしてください、失礼しました」

「先生、」

「佐々木君帰ろう」

こっちだってプライドがある。
こんな奴にへりくだって頼む必要なんて絶対にない。元から私は乗り気ではなかったんだから、相手がそう言うならもうやる理由はないはずだ。

「…………君、ちょっと待て」

その男に呼び止められると、なぜか足を止めてしまった。

「もしかして僕の作品、読んだことないのか？」

「……えぇ、ありませんよ」

すると椅子ごと私の方を向いて、足を組みなおしながら「理由は？」と聞かれる。

「漫画があまり好きじゃないので」

「漫画にはそれぞれ作家がいてストーリーがあって絵柄があって、僕も1冊1冊に魂を込めている。それを『漫画』と一括りにして好きじゃないと言われるのは心外だ」

「それはあなたの問題ですよね？
私が読むに至るまでの知名度と魅力がなかったということではないですか？」

「ほう。僕も君の作品を読んだことはないけどね」

「それはもっと精進しますよ。あなたが小説を嫌いでなければ」

「ちょっとちょっと、お二人、そう熱くならないで……！」

「落ち着いてください二人とも！」

このやり取りだけでもう分かる。こいつとは絶対に分かり合えないだろうって。