小説家vs.天才漫画家【JOJO】 (ページ21)

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アポイントメントページ21

「それで、家まで押しかけてきたんですか？説得するために？」
「違う。話はそれだけじゃあない」

この人にはデリカシーという概念ごと存在していないんだろうなぁと心の中で溜息をついた。
まさか家まで来るとは。

話があるというので家に通し適当に座らせた。
今日は仕事をせず休むつもりだったし髪もボサボサだったがもう仕方ない。

「君、漫画家の叔父がいるそうだな」
「あぁ……はい」

その話をするか、と笑えてくる。
佐々木君が説明しに行ってくれたんじゃなかったかな、その辺のことも頼んだつもりだったんだけど。

「会わせてくれないか」

ワンテンポ遅れて「え？」という声が出た。

「会わせてほしい。君の叔父に。精神病院に入院してるんだろ、丁度取材がしたいと思っていたんだ」
「嘘でしょ、話ってそれですか？」
「そうだが」
「え、え、こう、他に言うことないですか？」
「なんだ、慰めてほしかったのか？そんな面倒な事どうしてこの岸辺露伴がやらないといけないんだ、大体創作者が自分のあれこれにいちいち＿＿＿＿＿」
「もういい、分かりました、大丈夫です！」

なんなんだこの男は。
一切の干渉をせず、歩み寄りもせず、ただただ自分の好奇心に忠実。ある意味変態的だ。
好奇心という欲に全てを捧げている。

「でも、雄介さん……叔父は、漫画自体にトラウマがあって、そういう話は今、出来ないと思います」
「別にいい。彼の口から話を聞く必要は無いんだ」

話を聞く以外に取材する方法なんてあるのか。動作や他愛無い会話の中から心理的な何かを読み取れる、ということなのだろうか。

「露伴先生、あなたが漫画家であるという事も伏せてください。あなたは精神疾患の専門家、私に付き添って様子を見に来た。いいですね」

「あぁ。わかった」