小説家vs.天才漫画家【JOJO】

興奮 ページ17

おかしいな、と首を傾げながら去っていくAの後姿を見届けながら、岸辺露伴は先ほど読んだ事柄を思い返していた。

天国への扉、それは人間の記憶を本にして読むことが出来る岸辺露伴のスタンド能力。

「……ふむ」

少しだけ、牧野Aという人間に興味が湧いた。

彼女自身に特別な何かがあるというわけではない。確かに彼女の書く小説は興味深いものだったが、気になるのは彼女を取り巻く人間と環境である。

あの妙にリアルな表現と生々しさは、その経験からなる物なんだろうと予想している。


すごく気になる。すごく読みたい。
牧野Aの人生を。


これは自分の悪い所であり良い所でもあると岸辺露伴は自覚している。
この、腹の中で膨れ上がる制御の利かない好奇心は。


焦る必要は無い、彼女の記憶は逃げない。そう言い聞かせた。
明日だ、明日も会う約束をしている。隙を見てまた読ませてもらえばいい。


「待ち遠しい」


自然と口角が上がる。
早く明日になれと思いながら、公園を後にした。

頭の中→←能力乱用

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す