【HQ!!】 聖夜の下で告白を――

【リクエスト】 ホラー ページ48

さぁさぁ、やってまいりました！
季節外れの怪談が…！
私、音駒高校、怪談部がお送りします。


｢怪談部ってなんだよ。お前もバレー部だろうが｣

｢いいじゃん、雰囲気だけ！｣

｢雰囲気作りたがるくせに話始まると泣き叫ぶよね｣

｢う、うるさいなぁ｣


怪談を聞くのは嫌いじゃない。
でも聞いた後が怖いんだよね！
途中で逃げると続きが気になってある意味怖いし…。


｢ま、まぁまぁ！怪談しよう！｣

｢これ毎年だよな。部活1日分潰しやがって…｣

｢主将が文句言わない！｣

｢はぁ…話せばいいんだろ、話せば｣


そう言ってカーテンを閉め切り、部室の電気を消した。
狭くはない部室に部員が大勢、となると熱気で真夏にも感じられる。
ああ、背筋が冷たい…っ


｢これは怖い話っていうか、聞いた意味怖な？


俺が小学生の頃の話。

俺が住んでいた町に廃墟があった。

２階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。

ガラスがほぼ割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、地元の人もあまり

この場所に近づくことはなかったらしい。

ある日俺は、友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。

まだ昼だったから、建物の２階まで上がって建物を探索した。

そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。

友人と近づいて確認してみると、扉の前に

「わたしは このさきの へやに いるよ」

と書いてあった。

俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。

歩いて行くと分かれ道に突き当たって壁に

「わたしは ひだり に いるよ」

と書いてあった。

少し怖くなったけど、俺と友人は左に進むことにした。

すると両側に部屋があるところに突き当たって壁に

「あたまは ひだり からだは みぎ」

と書いてあった。

友人はこれを見た瞬間に半狂乱になって逃げた。

俺はその場にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。

部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に

「わたしの からだは このしたにいるよ」

と書いてあった。下を見ると

「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」

俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。

それからはもうその場所には近づいてない。

どうだ？…A、お前…｣

｢な、に…｣

｢後ろ…｣

｢いやぁぁああああ!!!!｣

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