意識 ページ8
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あれから被疑者は組対によって捕らえられた。
エトリが死に、久住も捕まり、資金源に苦労した辰井組の若い組員が暴動を起こしたらしい。
AAがその対象となった理由は不明で、病院に運び込まれたが意識は戻っていない。
三「Aっ!」
勤務時間を終え、慌てて駆け込んだ三澄は変わらず目を覚さない様子に顔を強張らせた。
東「まだ、起きないんだね…」
久「…そうですね、」
中「クソが」
普段なら団体行動なんてしないはずの中堂も、今回ばかりは違う。
昨日見た笑顔とは比べ物にならないくらいに血色がなく、まるで息をしていないみたいに、規則的に発する電子音だけがAの命を繋いでいるように感じられた。
中「お前がいないと中堂班が機能しないだろ」
そっと腰を下ろす中堂のこの顔を見るのは初めてじゃない。
苦しそうな、哀愁じみた反面、
愛おしそうな、嬉しそうな、優しい表情。
触らぬ神に祟りなし、と周囲から恐れられ避けられてきた中堂にとって、初め、Aは不思議な存在だった。
恐れることなくハッキリ物事を言う
言葉にせずとも感じ取り行動する
仕事に対しては真剣だが、気が抜けると柔らかく笑う
いつからか『中堂さん』と呼ばれることが当たり前になっていて、心地いいものになっていた
中「だから早く起きろ」
言葉足らずな中堂にとって精一杯のそれ
三「待ってるから」
東「起きるまで毎日来ちゃうんだから!」
久「バナナ、持ってきます」
それぞれの思いが交差する。
間に合わなかった?
間に合った?
東「てか、なんでバナナ?」
三「思った!」
久「え、Aいつも食べてますよね?」
東「そうだっけ?」
中「Aはみかんが好きだ」
三「え、中堂さんなんで知ってるんですか」
中「関係ないだろ」
東「クソが」
三「東海林、顎出てるから」
久「みかんって、今季節外れですよ、、」
UDIは今日も騒がしい
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ちゃむ - 読ませて頂きました!とても面白くて続きが気になります…!(*><*)更新楽しみにしてます、頑張って下さい!! (2020年9月23日 16時) (レス) id: 1078a520a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナホ | 作成日時:2020年9月21日 16時