間に合わなかったら ページ5
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志「伊吹はどう思った?」
伊「うーん、まだ分かんないけど」
なんか嫌な予感がする、と
志「名前くらい聞いときゃよかったな」
伊「そうじゃん!しっかりしてよー、志摩ちゃん」
捜索するにも女性という手掛かりしかなく、どうしたものかと悩んでいたところ
《1機捜本部から各局、辰井組の組員が拳銃を所持し民家に侵入したとの情報あり。現在位置近くの機捜車は直ちに向かわれたい。住所、銀座西1-4-9。》
本部からの入電
伊「そこって、ハムちゃんと成川見つけたとこだよね?」
志「そうだ」
伊「まって、志摩。さっき、声が聞こえたのもその辺りだった!」
志「え?」
志摩急いで!
伊吹の勘は当たる。怖いくらいに。
もし、同じことが起こっていたら
もし、間に合わなかったら
そんなことばかりが頭を過ぎる。
伊「機捜404から1機捜本部、銀座桜通りから向かいます」
《1機捜本部、了解》
運良く近くいた2人は羽野麦の時と同じように戸を叩いた。
伊「すいません!警察です!開けてください!!」
志「誰かいますか!?」
ここでこうしたのは二度目。
この焦る気持ちも二度目。
ガタッ
前回と違ったのは、中からはっきりと音が聞こえたこと
伊「志摩、」
志「ああ」
伊吹は思いっきり戸を蹴り、こじ開けた。
ああ、また始末書だな、と頭のどこかで考えられるくらいには冷静で
同時に怒りか焦りか、内から湧き出るものが止められなかった。
UDIの女性であるという確証はない。
それでもどこか、そんな気がする。
伊吹でもない自分自身が、全くの勘でそう考えてしまうことに志摩は嘲笑した。
「くそっ」
辰井組の組員らしき男は、2人を見つけるや否や逃げた。
"生きてる限り、またチャンスはある"
一度は信じて間違ったと自己嫌悪した道
だけど、志摩はもう一度伊吹を信じた。
伊「聞こえる」
伊吹の視線の先には井戸。これも二度目。
羽野麦のように、成川岳のように、また被害者が出た。
伊「大丈夫!?」
志「生きろ!!」
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ちゃむ - 読ませて頂きました!とても面白くて続きが気になります…!(*><*)更新楽しみにしてます、頑張って下さい!! (2020年9月23日 16時) (レス) id: 1078a520a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナホ | 作成日時:2020年9月21日 16時