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お粥 ページ15








それでもご飯が食べられない。

お腹が空かない。喉を通らない。気持ち悪い。






「今日食べられなかったら、鼻からチューブを入れて、そこから栄養を入れましょう」






医者にはそう言われた。

目の前には今日の夕飯、タイムリミットまであと少し。



最初は、食べなくていいよとみかんゼリーを食べてくれた東海林も、一緒に笑っていたミコトも、いつまで経っても食べられない私をみて、何か食べられるものはないかとたくさん買ってきてくれた

それでも食べられなくて、冷蔵庫には沢山の食料品が溜まってしまっている






『なんでかなあ』






食べたくないわけじゃないのに


目の前のお粥を口に入れてみる






『うっ、』






飲み込むとじわじわと気持ち悪さが上がってくる

吐く、と思ったや否やベッドを背に立ち上がる

でも、5日も食べていない身体がちゃんと動くわけなくて、トイレに駆け込もうとしたはいいが、途中転んで動けなくなってしまった

生憎、私の病室は病棟の端にあり近くに助けを呼べる人はいない

ナースコールも届かない

立ち上がる力もない





気持ち悪い

さっき口に入れたお粥と胃液が上がってくる

気持ち悪い






伊「A!?」



『伊吹、さん?』



伊「どうした!?大丈夫!?」



『きもちわるい』



伊「え?」



『トイレ』






それを聞いた藍くんは私を軽々持ち上げるとトイレへ連れて行ってくれた

泣きながら吐く私の背をさすって、ずっと声をかけていてくれた






『ごめんなさい』



伊「大丈夫、よく我慢したね」






情けなくて、どうしようもなくて、また泣いた






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ちゃむ - 読ませて頂きました!とても面白くて続きが気になります…!(*><*)更新楽しみにしてます、頑張って下さい!! (2020年9月23日 16時) (レス) id: 1078a520a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナホ | 作成日時:2020年9月21日 16時

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