【キヨ】毒舌執事。【実況者】

26　人殺しという肩書 ページ27

キヨ「何で来たんだよ」


「あなたに会いに来たの」


キヨ「会ってどうするわけ？」


「それは今から考えますわ」


キヨ「うっざ。今お前の顔一番見たくないんだけど」


「…私は見たいですわ。あなたの笑顔好きですもの」


キヨ「…何それ。早くどっか行けよ。綺麗なドレスが汚れちゃいますよ」


「…隣国の王子が亡くなったそうよ」


キヨ「…へぇ、よかったじゃん。おめでたじゃん」


「…あなたにとってはでしょうね」


キヨ「まあね。俺が殺したし」


「…うぅ、ふぇ、うえぇぇん」


キヨ「は？」



ダメ、ダメ！何で今になって、さっき泣いたのに

こいつの顔見たら涙が…


キヨ「何で泣くの？」


「好きな人も亡くして、あなたまでいなくなったらどうしよう…！」


キヨ「・・・」


「死んだ人間は戻らない！あなたが死んだら…私…！」


キヨ「・・・」



頭に優しい手の平がぽんっと添えられた。



キヨ「…俺、その顔だめなんだわ」


「ふぇっ…？」


キヨ「笑った顔も、悲しい顔も、全部好きなんだわ」


「！」


キヨ「執事始めてから、お嬢様の世話なんてやってられっかよとか思ったけど」


いつの間にかお前の自由奔放な生き方と、無邪気に楽しそうに笑う顔に惹かれたよ」



「…っ」


キヨ「俺は今はここに居なくちゃならない。ちゃんとした罰を受ける」


「罰…！？ダメですわそんなの！」


キヨ「お前、誰としゃべってるかわかってんの？？」


「え？それは執事…」


キヨ「執事じゃない。人殺しだぞ？」


「…っ！」



彼の肩書から執事というものは消され、城の皆からは人殺しと多く呼ばれてる。



キヨ「罰は何をされるかわからないけど、俺はしっかり受け入れる」


「・・・」


キヨ「そんな悲しい顔すんなって。土がついたジャガイモみてぇな顔」


「ど、どういうことですのよ！」


キヨ「ほら笑った」


「っ！」


キヨ「お前が笑うと、周りも嬉しくなるからさ。俺もそうだったし」


だから、お前は笑ってればいいんだよ」



「あなたも！！」


キヨ「え？」


「あなたも私と一緒に笑うの！じゃないとだめなんだから！」


キヨ「…それはここを出られればの話だな。おいそこの兵、姫を連れてけ」



兵「はっ。姫様こちらに」



「約束して執事！」


キヨ「？」



「あなたが人殺しでも、私はまたあなたを執事として雇いますわ！」




大きな声で今の精一杯を伝えた。牢屋から出ようとした瞬間に見た

彼は泣きそうだった…

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