【キヨ】毒舌執事。【実況者】

13　価値違い ページ14

からんっ


店「いらっしゃいませー」



腹が減ったと適当に飲食店に入ってみる。

なかにはたくさんの客がにぎわっている。


席について、一通りメニューを見てみるが…




「ヤギの乳…？」



キヨ「おっ、それうまいんだぜ」



「私こんなの飲めませんわ…」


キヨ「うまいのに？」



「あとこのサラダ、新鮮さが無さそうですわ」


キヨ「ほらほら文句言わず、一回くちにしてみろよ」



あぁそっか。俺は庶民育ちだから、毎日こうした食べ物を平気で食べていたけど

こいつは王族で城育ちだから、食生活も違うのか。



キヨ「どう？うまいべ」



「…！ お、おいしい…」



キヨ「だろー？庶民食ってのも案外うまかったりするんだぞ」





軽食を食べ終わった後店を出て、目的だった雑貨店へ向かう




「庶民の食べ物があんなにおいしいものだと思いませんでしたわ」


キヨ「一度食べると癖になるよな。あ、着いた！」



雑貨店を目の前にして、お店へ入っていくとずらりと並んだ

アクセサリーが、目を光らせる



「わあ！いっぱい！」


キヨ「おお、結構な種類だな」



手に取ってものを見てみると


「んっ？」


宝石が、本物じゃない…？


「ねぇ、これ本物の宝石じゃないですわ」


キヨ「えっ、宝石って書いてあるから宝石じゃないの？」



商品紹介にはきちんとした文字で、アメジストなどと表記されているが



「光り方が違う、もっとなめらかで…」


キヨ「俺はわかんねぇけど」



俺には宝石が本物か偽物かなんて気にせず、綺麗だと思ったものは買っていた

記憶があるけど


こいつみたいに、城で本物の宝石を見てるやつは、こういうのにもこだわるのか



やっぱり、王族と庶民じゃ明らかに価値観が違うんだな…




「アメジストだけじゃなく、こちらのエメラルドも…」


キヨ「あーわかったよ！あまりお気に召さなかったんだろ？」



「そういうことですわね」



キヨ「もう行くぞ、店の奴が見てる」


「ええっ、何でですの？」





色々商品に文句をつけていたコイツを見て、周りの客も

変な目で見ていた。そりゃそうだよな


店員さんもちらちら見てきたし





「ちょっと、待って！私はまだ雑貨を見てる途中で！」


キヨ「あのなぁ！あんな店の中聞こえる範囲で商品に文句言ってんじゃねぇよ」


「あ、ごめんなさい、つい」


キヨ「もう帰るぞ」




橙色にひかる空を見上げ、俺らは城に帰っていった。

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