柏木さんと藤原くん ページ46
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＜丈一郎＞
京セラ公演を終えた翌日の夜。
A今日ご飯食べに行こ
あいつが俺を誘うなんて珍しくて
思わず目を疑った。
文面と共に送られてきていたのは
前々から行きたいと呟いていた焼肉屋で。
了解。とだけ送るとすぐに家を出た。
〜
「お待たせ」
『待ってないから笑』
お店につくと既にAは個室に入っていた。
何食べるー？なんて呑気に聞いてくる彼女は
何かを抱えているときの表情。
ほんの少しの表情の変化で彼女のことが
分かってしまうほど彼女は何事も隠したがる。
ある程度、腹も満たされ、
京セラの反省も落ち着いた頃。
『………ねぇ、丈くん』
「ん？」
『なんで、聞かへんの』
Aが何を言いたいのか分からんかった。
「聞かへんって、何を」
『うちがこれ着けてるとき、
絶対丈くんしか気づかないんよ？』
これ、と言って指差されたそれは
彼女の左手首にある
何かあったときしか着けていない、
今は隣にいないヤツからの"お守り"。
「京セラでなんかあったんやろ？
じゃなきゃ、わざわざこんな回りくどい
SOS出さへんやろ。」
そう思った通りを口に出せば微かに揺れる目。
『……ほんっま、こーいうときだけ
敏感よなぁ、じょーくんて、笑』
笑えない。
俺が敏感なんじゃない。
Aが分かりやすすぎるだけ。
そんな言葉を飲み込んで、次の言葉を待てば、
彼女は自嘲気味に笑いながら呟いた。
『京セラ、真っ黒なうちわ沢山あって、
そんな人の隣くらいに自分のことを
好きでいてくれる白いうちわをもってくれる
人がいて。それが申し訳なくて。
………辞めたくなっちゃった、』
"真っ黒なうちわ"
顔が黒く塗りつぶされた個人うちわ。
アンチたちもそこまでバカじゃない。
俺らが通ると全力で隠していたのに
気づいていない訳じゃなかった。
特に多かったのが恭平とみっちー
そして、俺。
だから、余計に目についた。
恭平もみっちーも気がついていた。
ただ絡むだけで歓声は悲鳴となり、
やがて罵声へ変わる。
その事を学んでから、
罵声を浴びないことだけを考えて生きてきたA。
そんな彼女のあんなうちわが作られたのは
初めてだった。
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(かしじょうはかしじょう)
オチ見つからなかったのでこれで終わりです。
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しげつぐ。 - 菜緒さん» はい！個人的にすごく気に入ったのでこれからも読ませていただきます！「一番近くて遠い人Joe.F」を読ませていただきました！すごく面白かったです！更新 頑張ってください！ (2019年4月3日 23時) (
レス) id: 398d076629 (このIDを非表示/違反報告)
菜緒(プロフ) - しげつぐ。さん» よければ今後も読んでいただけると幸いです。改めて本当にありがとうございます！ (2019年4月3日 21時) (レス) id: 2adbe21db0 (このIDを非表示/違反報告)
菜緒(プロフ) - しげつぐ。さん» ありがとうございます！そう言ってもらえて驚きました。私自身謙ちゃんが大好きで最後の最後まで信じられませんでした。ですがこうやってお話にすることで自分の気持ちが晴れればと思い書いたものがしげつぐ。さんに届いたのは凄く嬉しいです。 (2019年4月3日 21時) (レス) id: 2adbe21db0 (このIDを非表示/違反報告)
しげつぐ。 - 今、全部読ませていただきました。朝田くんはもちろん、安井くんは一番最初に好きになった人で、関西ジャニーズJr.を知るきっかけになった人なので実感が湧かなかったです。でも、このお話を見て悲しんでる場合じゃないと思わせてくれました。ありがとうございました。 (2019年4月3日 19時) (レス) id: 398d076629 (このIDを非表示/違反報告)
菜緒(プロフ) - 史那さん» いえいえ！こちらこそ分かりにくくてすいませんでした( ﾉ;_ _)ﾉ (2019年4月2日 22時) (レス) id: 2adbe21db0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜緒 | 作成日時：2019年3月23日 6時
