難波の紅一点は現役JK 4 (ページ5)

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ギターページ5

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数ヶ月ぶりのギターは酷く重く感じた。

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私の活動復帰までの日々は"Break Through"を弾けるようになることから始めた。

近くのスタジオで、メンバーが使わないことを確認してから予約して、思う存分弾くつもりだった。

自分の指が奏でる音に違和感を覚えて、チューニングを続けるけど思うような音がでなくて、だんだん悔しさが襲ってきた。

自分の音感が鈍ることなんてあるはずないと思ってたのに。

『………なんでなんｯ』

ケータイのアプリから流れる音を止めて、チューナーを頼りにチューニングして、漸く音が安定した。

チューニングが終わるまでに30分。
こんなに掛かったことなかったのに。

そこからは譜面を見ながら必死にコードを覚えるだけ。けれど、使われていなかった指はそう簡単に言うことを聞いてくれなくて中々思うように滑らかに弾けない。

『………どうしてｯ』

理由なんて分かってるのに、そんな現実を認めたくなくて。

その日は結局弾けないまま終わった。

ダンスよりも歌よりも、楽器が一番出来ないのに。只でさえ武器にしきれてない楽器で遅れるなんて、あっちゃいけないことなのに。

家に帰ってから近所迷惑にならない程度の音量でゆっくり弾きながら歌詞を当ててみた。

『……3.2.1でBreake、君の真ん中を目指す言葉』

『希望と絶望携えた一歩轍の唄』

『………こんないい曲、私に歌えへんよ』

気付いたら、涙が溢れて止まらなかった。

悔しさとか、苦しさとか、いろんな感情を包み込んでくれる歌詞を、私の音と皆の音を合わせて私自身が歌えるわけなかった。

『こんなん、歌えへんって………ｯ』

今の、私の音じゃ無理だ。

そう納得せざるを得なかった。

(納得のいく音が出せないもどかしさ)

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私は何が書きたかったのか。