おとなりさん〈TH〉 (ページ4)

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買い物を終えて一段落ついた後、近所を散歩していた私はマンションから10分程歩いたところにお洒落なカフェを見つけた。

落ち着いた外観で、入口前の小さな花壇が華やかで可愛らしい。

看板にはam11～pm11の文字が見える。
遅くまで営業しているカフェのようだ。

実家暮らしの頃、近所のカフェにはよくパソコンを持って行っていた。

ファッションデザイナーの仕事をしている私は、職場以外でもデザインを考えたりスタッフの方々と連絡を取り合うことがあり、家で行なうことが多いが気分転換にカフェで作業をすることもあった。

今までの行きつけのカフェにはさすがに遠くてもう行けないが、良さげな所を見つけられた。

次の休みにはここに来てみようかな。

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引越してきてから、早いもので1ヶ月が過ぎた。
新しい環境での生活も慣れてきた頃、ちょうど仕事が忙しくなってくる時期だった。

残業続きで家に帰ればヘトヘト。
休日は泥のように眠り、行きたいと思っていたあのカフェにも行けずじまい。

「Aさん、さっきのデータのまとめなんだけど…」
「ごめん！Aさん、これ至急確認お願いしてもいいかな？」

頼まれたら断れない性格のせいか、時間のかかる作業や難しい内容の仕事ばかり回ってくる。

9時から18時までの勤務時間に終わる量ではなく、有無を言わさず残業となる。

今日は21時には上がったが、明日までにもう少し進めておきたい作業があった。

家に帰って作業をすれば絶対寝落ちをする自信があった私は、あのカフェを思い出す。
確か、23時まで営業していたはずだ。

ご飯支度をする元気も残っていないので、カフェで空腹を満たしつつ少し仕事をすることにしようと、疲労の溜まった身体でカフェに向かった。

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