おとなりさん〈TH〉 (ページ3)

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カーテンを開けて、太陽の光を浴びて、伸びをして。
新しい部屋で迎える朝は気持ちがいい。

今日は仕事が休みなので、スーパーで食料品の買い物をした後に近所を散歩する予定。

昨日コンビニで買っておいた朝ご飯を食べ、軽くメイクをしてラフな服に着替える。

買った物を入れられるように大きめのリュックを背負って、一応エコバッグも忍ばせておいて、さて出発。

そして部屋のドアを開けた私は、同じタイミングで部屋から出てきた隣人を見てぎょっとする。

昨日、顔を合わせまいと誓ったばかりだと言うのに…。

当然向こうも私に気がつき、鍵をしめながらこちらを見る彼と目が合った。

「おはようございます」

目を合わせておいて無視するのはさすがに感じ悪いから、ここは自然に挨拶をしておこう。
たとえ彼に無視されたとしても、気にしない気にしない。
広い心を持つのよ、ユン・A。

ぎこちない笑顔と共に頭をぺこりと下げると、驚くことに彼も小さく会釈をしてくれた。

「おはよ」

…しかも挨拶まで返ってきた。
なぜか友達相手にするような挨拶だったことは触れないでおく。

驚きを隠せない私は動揺のあまり彼を2度見したが大きな欠伸をする彼は気にも留めない様子。

そして私より少し前を歩いて行った彼がエレベーターを待っているのを見て、階段を使おうか少し迷う。

だってあの人と2人とか、どう考えても気まずい。
いやでも6階から1階まで階段を使うのはかなり距離がある＿＿

「乗らないの？」

迷う私の思考を遮ったのは彼の声だった。
エレベーターに乗った彼は、ドアを開けるボタンを押しながら私を待っていてくれた。

「の、乗りますっ」

…あれ、なんか、私が思っているよりも悪い人ではないのかもしれない。

気まずいだとか考えるのはやめよう。
普通に、自然に。それが1番。

そう思ったのに、どうしてか彼と2人のエレベーターの中では、緊張してしまった。

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