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コンビニで買い物を終え、マンションのエレベーターで6階まで上がり自分の部屋を目指す。
私の部屋は607号室。
エレベーターからは1番遠い、突き当たりの角部屋だ。
静かな通路を歩き、601号室から順番に通り過ぎて行く。
なんだかこういうの新鮮だなぁ、なんて思う。
今までずっと一軒家だったから。
こういう所に住んでいると、お隣さん同士で仲良くなれたりするのかな？
歳の近い女の子とかだったら友達になれるかも。
淡い期待を持ったそのとき、私の部屋まであと少しというところで部屋のドアが勢いよく開いた。
606号室、お隣さんの部屋だ。
開いたドアにぶつかる
背の高い隣人は、無造作な明るい茶色の髪に綺麗な顔立ちをした男性だった。
長めの前髪から覗く切れ長の瞳が私を見る。
「……す、すみません」
ぶつかりそうだったし、謝った方がいいだろうかと思い咄嗟にそう言ったが、彼は私をじっと見るばかりで無反応だ。
やけに顔を顰めてこちらを見てくる彼が不審者を見るような目をしている。
引越してきて顔を合わせるのは初めてだし、私を知らないのは当然だけど、ちょっと失礼では。
「えっと、隣に引越してきたユンです。よろしくお願いします」
怪しい者ではないですよ、と内心付け足しておく。
じろじろと私を見た後、彼は「…どうも」と一言だけ言うと鍵をしめて通路を歩いて行った。
その後ろ姿を見て、彼に負けないくらいの顰めっ面で思わず愚痴をこぼす。
「なにあれ…感じ悪っ…」
そうだよね、そうそう歳の近い女の子なんてお隣さんにはならないでしょう。
私の期待は砕け散り、代わりに先程の隣人の嫌な顔が頭に浮かぶ。
こういう所の隣人トラブルは結構多いと聞く。
どうにか問題を起こさないように、そしてなるべく顔を合わせないようにしようと心に誓った、ユン・Aひとり暮らし1日目の夜であった。
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作者名：naguno | 作成日時：2020年10月4日 12時
