【第一話】 ページ2
『はぁー……』
今日15回目のため息を深く吐きながら、誰もいないホームのベンチで思いっきり背伸びをする。
りゅーに別れを告げられてから1週間。
まだ頭から消えてくれない。
りゅーの連絡先が残りっぱなしのスマホを握り締めて、
(私、どんだけりゅーに依存してたんだろ……)
と自分でも怖くなる。
少しでもりゅーへの想いを消そうと、思い出の詰まったスマホのギャラリーを開く。
何度も見たりゅーとの思い出の写真。
どの写真のりゅーも笑ってる。
もちろん私も。
前はこの写真を見ながら幸せに浸れた。
でも今は、
胸が痛くなって、苦しいだけだ。
一気に消せば良いものをなぜか1枚1枚、ゆっくり消してしまう。
やっぱりまだ、好きなんだろう。
私は……
半分以上消し終わってきた頃、1枚の写真で手を止める。
随分懐かしい写真だった。
制服に身を包んだ私と、
隣にいるのは胸に花を付けた脇くんだった。
ぶっきらぼうに笑う脇くん。
りゅーとの写真が多すぎて埋もれていたから気が付かなかった。
ずっと前から脇くんは私の隣にいたんだ。
そう、ずっと……
続く
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ムコセイジン。(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！よろしくお願いいたします！ (2019年10月4日 18時) (
レス) id: 57b016ee4f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 前作もとてもおもしろかったので今作もとても更新がたのしみです！がんばってください〜！ (2019年9月28日 15時) (レス) id: a0afcf68b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ムコセイジン | 作成日時：2019年9月28日 9時
