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寝起きのAの手を引き、総統室へとゆっくり歩く。
段々と日が傾いてきていて、窓から差し込む光は真っ赤に染まっていた。
少女の歩幅に合わせてゆっくりと歩けるのも、今日はたまたま出払っている奴等が多く、必要最低限の幹部のみ城に残っているからだ。
全く、いつもこのくらい静かだとAを育てるにはいい環境なのだが。


『にぃに』
「どうした?」
『へーたいさんたち、いないね?』
「ん……確かに。流石に警備として兵は居るはずやねんけど……」


Aが指摘した瞬間、途端に胸がざわついた。
俺達は確かに総統室……城の最深部へと向かっているのに、いくら出払っているとはいえ静かすぎる。
……おかしくないか?と、違和感を掴みとった瞬間、個別通信からけたたましい程の大声が聞こえた。


rb≪兄さん大変や!!至急総統室へ向かってくれ!!≫
「ッ!?今いく!」


手早くAを抱き抱え、一秒でも早くと足を動かしながら、腕の中で不安そうに見上げている少女に口を開く。


「ええか、俺が大丈夫って言うまで喋ったらあかん。いいこにできる?」
『うん!』
「ありがとうな。ちょっと、ピンチっぽくて」


本当にこの年頃の少女に比べればAは賢く、聞き分けもいいと変な関心をしながらも、どんどんスピードが上がっていく。
そして、豪勢な作りのドアを勢い良く蹴破ると同時にハンドガンを構える。

そこには、黒衣の不審者と対峙するグルッペンの姿があった。


「動くな」
gr「思ったより早かったな、兄さん」
「何呑気なこと言うてんねん、怪我は?」
gr「今のところはないぞ」
「とは思ったけど。そのまま両手を挙げて、腕を頭の後ろで組め、侵入者」


俺に背中を向けたままの黒衣は、一言も喋らずただゆっくりと俺の指示に従う。
抵抗の意思は無さそうだが油断はできない。
万が一の事を考えてゆっくりとAを床へと下ろせば、彼女は不安げに俺のズボンの裾をぎゅうっと握った。


「ったく、何ヘマしてんねん」
gr「仕方がないだろう、休憩中で多少気が抜けてたんや」
「どうせお前の事だから、誰か来てどうにか処理すると思ってたんやろ
……下手くそな口笛ふくなや、まったく……
ほら、手組み終わったならゆっくりこっちを向け」


一歩、二歩とゆっくりグルッペンへと背を向ける侵入者。
焦る様子も無ければ、不思議な程に無抵抗で。
思わず眉間に皺を寄せた瞬間。


gr「っ!!A!!!」


裾を握られていた感覚が、突然無くなった。

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.*桜餅*.@柿の種軍団_副団長(プロフ) - そうなんですね、少し悲しいですが完結しても応援させて頂きます!私では、こんな神作品作れないですよ、更新頑張ってください! (2020年10月31日 7時) (レス) id: 61b4604950 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - ん''ん''ん''ん''.......ロリ可愛い。いやぁ、ロリコンの俺には神のような作品ですわぁ!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年6月16日 23時) (レス) id: 0779f5a88d (このIDを非表示/違反報告)
めゅ。 - 面白すぎる…!! 更新待ってます(><) (2020年3月17日 10時) (レス) id: 882f22aeaa (このIDを非表示/違反報告)
ヤト - 続きが気になります、更新楽しみにしてます。 (2020年3月14日 22時) (レス) id: bd201871c1 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 主様の書く幼女ちゃんかわいすぎぃ…好きです()ut先生のキャラもpiくんのキャラも最高です…!!((これからも楽しみにしてます、更新頑張ってください!!! (2019年12月31日 10時) (レス) id: 70033b6f85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:南雲 | 作成日時:2019年11月8日 4時

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