モブな恋。２【モブサイコ100】

首のタオル ページ19

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「ごめんなさいっっ！」

勢いよく頭を下げると、


「本当に大変だったんだぞ〜」

「おねえさんが無事なだけでも良かったです」


と、優しい返事が返ってきた。

それでも私は顔を上げる事なく、言葉を続ける。


「いや、もう、迷惑ばっかりかけて、本当に……助けてくれてありがとうございます……」

「謝ったり感謝したり、忙しい奴だなぁ」

「本当にぼくは気にしてませんよ。 おねえさん」

うぅ、どうしてこうも優しいの……！


「とりあえず早く着替えようぜ。 俺ら三人ともびしょ濡れなんだから」

「はい……」

私が悪霊に取り憑かれていた間にどんな事が起こったのか、まるっきり記憶が無い。
しかし、恐らくとんでもない事件を起こしてしまったのだろう。


それは……霊幻さんがタオルを首に巻いている事と、何か関係があるはず。

まるで、何かの跡を隠すように巻かれたタオル。


「あの、本当に私、何をしちゃったんですか……？」

「あー、気にすんな。 ていうか、お前のせいじゃないしな。 悪霊が悪いんだよ」


霊幻さんは私に気を遣って、何が起こったのか話してくれない。 上手くはぐらされてしまう。

それじゃあ、これ以上追求しない方がいいのかな。

でも、命に関わるような大問題だったはず。 申し訳なくて堪らない。


「すみません……ぼくも、何が起こったのかあんまり覚えてなくて」

「ほんと大丈夫だって。気にしなくていいんだよ」

「けど、霊幻さん。 そのタオル……」

「A、お前は早く更衣室に行った方がいいぜ。 びしょ濡れの女の子ほど、そそるもんは無いっての」

「……この変態」

モブくんの前で何を言うんですかと叱りたくなる気持ちを抑え、言われた通り更衣室に向かう事にした。

……しかし。


「おっ、どうしたA。 すぐに戻ってきて」

「あの……すみません、私、着替え持ってません」

「…………」


＊＊＊＊＊

その後、霊幻さんが近くの服屋で着替え一式を買ってきてくれた。

「おう、買ってきてやったぞ。 服も下着もサイズは勘で選んだし、センスは無いが我慢してくれ」

「……確かに微妙にダサいですが我慢してあげます」

「裸で帰れよお前」

「冗談です！ お金は後で払うので、あ、ありがとうございます……」

私が必死に照れ隠しをしている事を察したのか、霊幻さんはさっさと服を渡してくれた。


……数分後着てみたのだが、下着のサイズがぴったりなのが妙に気持ち悪かった。

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