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言葉もナイフも使い方を間違えるな ページ46

僕は、幼稚園の頃からAと仲が良い。

一緒に遊ぶのが楽しくて、気づけばお互いに家族ぐるみで仲が良くなった。

そして。

ただの友達だと思っていたAを、小学五年生の頃には、完全にただの異性以上に気になっていた。

家が近い事もあり、毎日と言ってもいいほど一緒に帰っていた。


けど……中学で関係は一時変わった。


中学に入り、自分の超能力に心酔しきった僕は、ひたすらステータスにこだわるようになった。

超能力を使い荒らし、学力、運動、人間関係……全てを完璧にこなした。

女の子とたくさん付き合い、放課後はデートの日々。


今でも覚えている。


Aが声をかけてきた放課後。

『テルくん、一緒に帰ろう』と小学生の頃と何ら変わらないAの声音。

けど、それに対する返事だけは、変わってしまった。


『は? 嫌だよ。 ていうか、いつまで彼女ヅラしてるんだよ』


声も出ないほどに驚いた様子で、Aは一瞬目を見開いた。

言葉を失い、悲痛の表情を浮かべた彼女は、何かを諦めた様子で柔らかく微笑んだ。

『そっかぁ……ごめんね。 迷惑だよねー……ほんと、ごめん』

そして、足早に去っていった。


その後、Aは気を遣うように僕を避け始めた。

僕は死ぬほど後悔した。
「なぜ、あんな事を言ってしまったのだろう」と。

やがて僕は、Aの代わりの癒しを求めるように更に女子を取っかえ引っかえするようになり、

『…………』

ますますAは僕に近づかなくなった。



やがて影山くんと出会い、改心した僕は、Aへと今までの事を謝罪しに行った。

彼女はあっさりと笑って許してくれた。

……いや、「許す」なんて表現はおかしい。 彼女は最初から怒ってなんかいない。


そして、Aは改めて僕と会話をするようになった。


けど、以前とは違う。


話しかけるのは、だいたい僕から。

遊びに誘うのも、僕から。

廊下ですれ違っても、Aは目を伏せるばかり。


……当然の対応だろう。


一年間、Aを邪険に扱った結果、

二人の間には、以前とは違う距離が出来上がってしまったのだ。


それは、高校生になっても変わらず。


……恐らく、Aが僕の告白を答えない理由は、そこにある。


告白を受け入れたとして、「また、彼女ヅラするなと言われないか」。

告白を断ったとして、「テルくんを傷つけないか」。


優しいAは、その間に揺れているのだろう。

急にくるから急展開っていうんです→←霊とか相談所



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設定タグ:モブサイコ100 , ぼっち , 花沢輝気   
作品ジャンル:アニメ
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オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 毎回素敵と言ってもらえるなんて……! ありがとうございます! ほんっとうに嬉しいです! これからも頑張ります! (2019年6月29日 12時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - 更新されるお話が毎回毎回素敵で本当に読んでいて楽しいです!更新お疲れ様でした!無理をなさらずにまた更新頑張ってくださいね! (2019年6月29日 10時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - 木の葉さん» こちらこそ、ありがとうございますー! 嬉しいお言葉です! もっとぼっちに優しい世界になるといいですね〜。 (2019年4月15日 7時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
木の葉 - ぼ、ぼっちに優しい…!!!!!ありがとうございますぅぅぅぅ(´Д⊂ヽしかもすっごく面白いです!これからも更新頑張ってください(*^^*) (2019年4月15日 6時) (レス) id: 927779d34a (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» ありがとうございます! とっても励みになります! おっしゃる通り、無理し過ぎず頑張っていこうと思います! (2019年4月14日 12時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オトナノジジョウ | 作成日時:2019年4月10日 23時

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