現在進行形ぼっちのあなたへ！【モブサイコ100】

霊とか相談所 ページ45

(テル)


「こんにちは、霊幻さん」

久しぶりに霊とか相談所に訪れた僕。

挨拶をすると、ソファーに座る霊幻さんは珍しそうに僕を見上げた。

「よう、テルじゃねぇか。 久しぶりだな」

「こんにちは。 ……あれ？ 芹沢さんはいないんですか？」

「あぁー。 風邪引いたとかで、今日は休んでる。 後で差し入れしにいかねぇとな……」

ぶつぶつと呟いた霊幻さんは、パッと顔を上げて、

「で、何の用だ？」

と、首を傾げた。

「あ、はい。 えっと……」

思っていたよりも自分が緊張している事を感じつつ、僕は「あの」と声を出す。


「れ……恋愛相談に、乗って欲しいんですが……」


「……はぁ？」

途端に不思議そうに眉を潜めた霊幻さん。

「そんなの、お前の方が経験豊富だろ。 恋愛では百戦錬磨のイケメンめ」

……そんな事ない。 どうしても勝てない相手が一人だけいる。


「そ、それで、相談に乗って欲しくて……あの、ダメですか？」

自然と顔が熱い。 口の中がパサパサする。

僕を見つめた霊幻さんは、読んでいた新聞を閉じた。

「……いいだろう。 俺だって伊達に二十九年生きてきた訳じゃない。 恋愛相談くらい余裕だ」

「でもアラサーですよね？」

「黙らっしゃい。 ……んで、どんな内容だよ。 ほら、ソファーに座れ」

「は、はい」


素直にソファーに腰掛け、霊幻さんと目を合わせる。


「それで、相手とはどういう関係だ？」

早速切り出し始めた霊幻さんを頼もしく感じつつ、口を開いた。

「幼稚園からの幼馴染です。 好きになったのは、小五くらい……かな？ 小・中・高と同じ学校です」

「ほう。 告白はしたのか？」

「しました。 中学の卒業式に。 ……でも、返事は貰ってなくて」

そう答えると、霊幻さんはピクリと眉を動かした。


「……貰ってない？ どういう事だ？」

「なんというか、返事するのを先延ばしにされて。 それをずっと待ってる状態です。 僕から聞いても、はぐらかされるし」

「それは……キープ状態ってやつか？」

渋い顔を浮かべた霊幻さんは、チラリと目線を下に落とした。

「ていうか霊幻さん、さっきから携帯いじってません？」

「いじってない。 気にするな」


即答した霊幻さんは、サッと顔を上げ、言い放った。


「そいつ……クソ女じゃね？」


「は………！？」

「……と、言いたい所だが。 お前、返事をはぐらかされる様な心当たり無いのか？」

「…………」


ある。


僕は、目を閉じて当時を思い出した。

言葉もナイフも使い方を間違えるな→←いるか、いないか。

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