検索窓
今日:7 hit、昨日:2 hit、合計:37,772 hit

いるか、いないか。 ページ44

「そういう……本田の中学はどうだったんだ?」


「みょ、苗字で呼ばれた……!」と、妙な高揚感を覚えつつ、私は首を傾げる。


「うーん……なんて言うかな、学校がギスギスした雰囲気だったなぁ。 偏差値は高くて学力優秀なんだけど、裏番とか不良の噂が多くて」


そう呟いてから、「……あっ」と口をつぐんだ。

じ、自分で出身校を「偏差値高い」って言うなんて、恥ずかしい……!

引かれた……?と竹中くんをチラリと見るが、彼は特に気にした風も無く質問してきた。


「どこの中学なんだ?」

「く、黒酢中」

「へぇ、調味市か。 俺と一緒だな」

「うん」


キーンコーンカーンコーン


五校時の予鈴が響き渡り、私たちは「じゃあ」と席を立つ。


「よく分からんが話聞いてくれてありがとな。 今度、その先輩を紹介しようか? 年上の友人が欲しいんだろ?」

「えっ!?」

心を見透かされたような竹中くんの発言に、思わずドキッとする。

と、同時に、「いいの!?」と歓喜に駆られてしまう。


いやというか私としては別に先輩じゃなくても心を開ける友人が一人でも欲しいホント年齢とか関係なしに……と、ぼっちの願いが渦巻くが、努めて冷静に微笑んでみせる。


「そちらが良ければ、喜んで。 ありがと、気遣ってくれて」

「ん、それじゃ近いうちにな」


そんな口約束をして、私たちはそれぞれの教室へと戻った。

……が、私たちは再び教室の前で鉢合わせした。


「って、クラス隣同士だったのか」

「あ……じゃあ、体育一緒だね……」


そんなに衝撃でもない事実をサラッと流し、今度こそ各々の教室に戻る。


「…………」


教室に入る間際、私は竹中くんの背中を盗み見る。


……きっと、彼のクラスには彼の友達がちゃんといるんだろうな。


私みたいにぼっちで苦しんでないんだろうな……。


「……何考えてるんだ、私」



友達がいるか、いないか。

他者をそんな風に見るなんて、最低だ。

霊とか相談所→←テレパシーは心もつなげる



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
52人がお気に入り
設定タグ:モブサイコ100 , ぼっち , 花沢輝気   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 毎回素敵と言ってもらえるなんて……! ありがとうございます! ほんっとうに嬉しいです! これからも頑張ります! (2019年6月29日 12時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - 更新されるお話が毎回毎回素敵で本当に読んでいて楽しいです!更新お疲れ様でした!無理をなさらずにまた更新頑張ってくださいね! (2019年6月29日 10時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - 木の葉さん» こちらこそ、ありがとうございますー! 嬉しいお言葉です! もっとぼっちに優しい世界になるといいですね〜。 (2019年4月15日 7時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
木の葉 - ぼ、ぼっちに優しい…!!!!!ありがとうございますぅぅぅぅ(´Д⊂ヽしかもすっごく面白いです!これからも更新頑張ってください(*^^*) (2019年4月15日 6時) (レス) id: 927779d34a (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» ありがとうございます! とっても励みになります! おっしゃる通り、無理し過ぎず頑張っていこうと思います! (2019年4月14日 12時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:オトナノジジョウ | 作成日時:2019年4月10日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。